マイニング大手Hut 8、1兆円のAIデータセンター契約締結──グーグルが財務保証

JinaCoin編集部
8 Min Read
Hut8公式Xより引用
Highlights
  • マイニング企業Hut 8が17日、AIクラウド企業フルイッドスタックと15年総額70億ドル(約1兆円)のデータセンターリース契約を締結
  • グーグルが財務保証を提供し、5年更新オプション3回で最大177億ドル(約2.7兆円)規模に拡大可能
  • JPモルガン、ゴールドマン・サックス主導で建設費85%を融資、電力は当初330MW、将来1,000MW超に拡張予定

北米のマイニング企業「Hut 8(ハットエイト)」は17日、AIクラウドプラットフォーム企業「フルイッドスタック」と、AIデータセンターに関する15年間のリース契約を締結したと発表した。契約総額は70億ドル(約1兆円)に達する。本件にはグーグルが財務保証を提供しており、マイニング企業のAI分野進出として注目される。

JPモルガン、ゴールドマン・サックスなど大手金融機関が支援

今回の契約は借主が維持費や税金なども負担する「トリプルネットリース」形式で、5年の更新オプションが3回あり、全て行使されれば最大約177億ドル(約2.7兆円)になる可能性がある。特筆すべきはグーグルが財務面での保証を提供し、リース料等の支払い義務をカバーする点だ。これにより、ハットエイトは極めて高い確度で収益を受け取ることができる。

資金調達面では、J.P.モルガンとゴールドマン・サックスが主導する予定だ。建設費用の最大85%が融資によって賄われる見込みとなっており、金融業界のトッププレイヤーがハットエイトのインフラ開発モデルを支援する体制が整えられている。

施設の最初のデータホールは2027年第2四半期に完成し、試運転を開始する予定だ。その後、米ルイジアナ州のリバーベンド・キャンパス内にて追加設備が順次稼働する計画となっている。

電力は地元の電力会社「エナジー・ルイジアナ」と協力し、当初330MWを確保した。将来的にはさらに1,000MW規模の拡張が可能とされる。ルイジアナ州知事も地域経済への投資と雇用創出に期待を寄せており、建設ピーク時には約1,000人が従事する見込みだ。

本件は、マイニング企業が電力インフラの強みを活かし、AI分野へ拡大する好例だ。ビットコイン価格に依存しない、グーグルの保証付きという極めて安定した収益源の確保は意義深い。電力確保のノウハウがAI需要と合致しており、業界内での「AIとマイニングのハイブリッド化」の流れを加速させる重要な動きと言えるだろう。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.59円)

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