ミームコインやAI関連銘柄を含む注目の仮想通貨リスト
米経済誌「Forbes(フォーブス)」は19日(日本時間20日)、2025年に注目すべき暗号通貨(仮想通貨)リストを公開した。
このリストは、仮想通貨市場の現状と将来的なポテンシャルなどを多角的に評価・考慮して作成されている。選定にあたっては、時価総額や価格パフォーマンス、エコシステムが抱える課題への対処能力やコミュニティからの支持など、複数の観点で評価されている。
フォーブスがリストアップした仮想通貨とは?
今回、フォーブスが取り上げた仮想通貨は、現時点で影響力を持つだけでなく、将来の成長性が期待されるものだ。実際にリストアップされた仮想通貨とその選出理由については以下のとおりだ。
- ビットコイン(BTC)
世界初の仮想通貨であり、「デジタルゴールド」として市場を牽引。企業投資が活発化しており、ドナルド・トランプ次期米大統領がドル下落へのヘッジ手段として支持を表明したことでも注目を集める。 - イーサリアム(ETH)
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行によりスケーラビリティが向上。広範な開発者エコシステムを背景に、分散型アプリケーション(dApps)の基盤として市場シェアを確立している。 - ソラナ(SOL)
イーサリアムの代替として主要なブロックチェーンの一つに位置づけられており、主にNFTやDeFiの分野での普及が促進。2024年には継続的なパートナー提携とエコシステムの拡大が加速した。 - Fetch.ai(FET:フェッチAI)
分散型AI技術の先駆者であり、2024年にはAIを活用する企業との提携が加速。スマートシティのインフラ構築やサプライチェーンの自動化で高い実用性が評価されている。 - ドージコイン(DOGE)
ミームコインの元祖であり、イーロン・マスク氏や熱狂的なコミュニティによる支持が厚い。大手企業での決済採用といった現実世界での有用性や、低い取引手数料によるアクセシビリティの高さも評価されている。
中でも、フォーブスが最有力候補として見ているのが、フェッチAI(FET)だ。同プラットフォームは、データ共有や取引などの複雑なタスクを自律的に実行するAIエージェントの作成基盤を提供している。AIとブロックチェーンの融合により、将来的にさまざまな産業革新が期待されている点から、2024年にはトークン価格が大幅に高騰を見せた。
市場では可能性と不確実性が共存
フォーブスは、2025年の仮想通貨市場が大きな可能性を秘めている一方で、不確実性も同時に存在する点を指摘している。ビットコインは、組織や機関投資家からの支持を受け、市場における強い影響力を維持している。しかし、その他の仮想通貨は競争の激化や市場での成長が発展途上にあることから、課題を抱えた状況にあるとしている。
さらに、フォーブスは世界経済の不透明さや規制当局による監視強化といった要因が、市場の不確実性を強める要素になり得ると強調。市場を常に注視し、批判的な視点を持って仮想通貨やプロジェクトを評価する必要があると語った。
仮想通貨市場は依然として強いスタンスを維持しているものの、この勢いが将来的にも持続するかどうかは不透明だ。今後、投資家はこれまでよりもマルチな目線で市場を捉え、慎重な投資判断を進めていく必要があるだろう。