ウロボロスプロトコルの集大成、2026年実装を目指す
カルダノ(Cardano/ADA)の創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は1日、自身のライブ配信において、次期大型アップグレード「Ouroboros Leios(ウロボロス・レイオス)」によって、カルダノが「地球上で最も高速な暗号資産(仮想通貨)になる」との見解を明らかにした。
このアップグレードは、カルダノが採用するPoS(プルーフ・オブ・ステーク)プロトコル「Ouroboros(ウロボロス)」の進化形であり、同プロジェクトにおけるウロボロス計画の総仕上げ的な位置づけとされている。
ホスキンソン氏は、8年間にわたる研究開発の成果であるウロボロス・レイオスが、ブロックチェーンのトランザクション処理速度競争において画期的な進歩をもたらすと強調。これにより、カルダノは「Solana(ソラナ)」、「Avalanche(アバランチ)」、「Ethereum(イーサリアム)」といった主要な高スループットブロックチェーンに対して、挑戦者として浮上する可能性があると述べた。
ウロボロス・レイオスは、入力ブロック、ランキングブロック、承認ブロックから構成される多層的なブロック構造を導入することが最大の特徴だ。この新アーキテクチャにより、トランザクションの送信、検証、ブロックの順序付けといったプロセスを効率化し、ネットワークのセキュリティや分散性を損なうことなく、スループットを前例のないレベルまで拡張することが可能になるという。実施されたシミュレーションでは、ネットワークが最終的に毎秒数万トランザクション(TPS)を処理できる可能性が示されているようだ。
さらに、ウロボロス・レイオスは「tick-tock model(チックタックモデル)」と呼ばれる動的なスケーラビリティ調整機能を備え、ネットワークのパラメータを需要に応じて段階的に最適化できる柔軟性も持つ。これにより、ビットコインDeFi(分散型金融)、ブロックチェーンゲーム、AI連携アプリケーションといった、将来的な需要急増が予想されるユースケースにも対応可能になるとしている。
ホスキンソン氏が示したロードマップによれば、ウロボロス・レイオスは2025年後半に最終仕様が決定され、2026年のメインネット実装が目標とされている。この野心的なアップグレードが宣言通りに実現して理論上の性能を発揮すれば、カルダノはトランザクション処理能力において既存の主要ブロックチェーンを凌駕することになる。今後の進捗に注目したいところだ。
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