3月のトランプ大統領令を受け、押収ビットコインの戦略的備蓄を永続化
米国下院のティム・バーチェット議員は6日、「戦略的ビットコイン準備金」の設立を定める大統領令を、恒久的な法律にするための法案「H.R.3798」を提出した。この動きは、3月6日にドナルド・トランプ大統領が署名した大統領令を追認し、ビットコインを国家の戦略的資産として正式に備蓄する政策を、国家戦略へと格上げしようとするものだ。
2025年3月6日にトランプ大統領が署名した大統領令では、米国政府が過去の刑事・民事手続きを通じて押収・保管しているビットコインを準備金に組み込むことを定めた。
また、準備金に組み込まれたビットコインは売却されない方針であることも公表されている。大統領令では、予算中立で納税者に追加負担をかけない条件下での新規取得戦略の策定も指示されており、完全な新規買い付け禁止ではない点に注意が必要である。
6月6日にバーチェット議員が提出した法案「H.R.3798」は、この3月の大統領令を正式に法制化することを目的としている。
大統領が発する「大統領令」は、強力な行政権限を持つ一方で、後任の大統領によって覆される可能性がある。それに対し、議会が可決する「法律」は、より恒久的で安定した国家の方針となる。つまり今回の法案提出は、ビットコイン準備金の設立をトランプ政権だけの一時的な政策ではなく、永続的な国家戦略にしようとする議会側の動きと解釈できるだろう。
ただし、この法案は金融サービス委員会に付託された段階であり、法律として成立するまでには長いプロセスを要する。それでも、トランプ政権下のビットコイン推進政策を、より恒久的なものへと格上げしようという動きは、暗号資産(仮想通貨)業界にとって大いに歓迎すべきことと言えるだろう。
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