ビットコイン、108,400ドルのサポート維持が焦点──アナリストは中期上昇を予測

伊藤 将史
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

6日に約12万6,000ドル(約1,900万円)の史上最高値を更新したのち、大きく価格を下げて10万ドル代後半で推移しているビットコイン。アナリストは、今後の価格動向の限るを握る要素は「重要なサポートライン」と「市場心理」であると分析している。

テクニカル分析:強力なサポートラインが示す分岐点

暗号資産(仮想通貨)アナリストのRekt Capital氏は20日、現在のビットコイン価格が週足チャートにおける重要なサポートラインを維持できるかどうかが極めて重要であると分析する。

同氏が提示した週足チャートでは、108,400ドル(約1,635万円)付近が過去に何度もレジスタンス(抵抗線)やサポート(支持線)として機能してきた強力な価格帯であることが示されている。

Rekt Capital氏は、「現在、ビットコインはこのサポートを非常によく維持している」と述べ、この水準を固めることができれば、時間をかけて120,000ドル(約1,809万円)以上への上昇が見込めると予測している。

市場心理:弱気ムードが逆に上昇の燃料に

一方で、データ分析プラットフォームクリプトクオント認定著者のDarkfost氏は20日、デリバティブ市場のデータから、市場が新たな「不信のフェーズ」に入っている可能性を指摘する。

「不信のフェーズ」とは、過去の下落に動揺した投資家たちが、新たな上昇トレンドが始まったことを信じきれず、むしろ下落を見込んでショートポジション(空売り)を積み上げる期間を指す。

同氏の分析によると、先物取引で大きなシェアを占める暗号資産取引所バイナンスでは、ファンディングレート(資金調達率)がマイナスで推移しており、ショートポジションが優勢であることが示されている。これは、日本時間11日の大規模な清算イベント以降、多くのトレーダーがさらなる下落を警戒し、弱気なバイアスを持っていることの表れだ。

しかしDarkfost氏は、「この不信が長引けば長引くほど、爆発的な上昇の可能性は強くなる」と逆説的な見方を示す。

もし現在の価格上昇が本物であれば、積み上がったショートポジションは、強制的に買い戻されるショートスクイーズの強力な燃料となるからだ。ショートポジションのロスカットが連鎖的に発生することで価格は急騰し、大規模な清算が待ち構える113,000ドル(約1,704万円)、さらには126,000ドル(約1,900万円)といった価格帯まで一気に上昇する可能性があるという。

同氏は、過去にビットコインが大きく価格を上げた2024年9月や2025年4月にも、同様のパターンが見られたと指摘。市場の集団的な弱気心理が、結果として上昇相場の起爆剤となる可能性に言及している。

テクニカル的な正念場と、弱気に傾いた市場心理。この二つの要素が絡み合う中、ビットコインがどちらの方向に動くのか、市場は固唾を飲んで見守っている。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.83円)

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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