規制枠組みが進むブラジルでさらなる成長を目指す
世界最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所「Binance(バイナンス)」は2日、ブラジルにおいて現地認可を受けたブローカーディーラー機関「Sim;paul(シムポール)」の買収について、ブラジル中央銀行から正式な承認を取得したと発表した。
この承認により、バイナンスは世界で21回目となる規制認可を達成し、仮想通貨取引所として最多の規制承認数を誇る地位をさらに固めた。
バイナンスによると、ラテンアメリカ最大の国であるブラジルは、急速に成長する仮想通貨市場を抱える一方、具体的な規制枠組みの整備に積極的だ。今回の承認を通じて、バイナンスはブラジル国内での有価証券の流通および電子マネー(EMI)の発行を認可された初の仮想通貨取引所となる。
バイナンスのCEOリチャード・テン氏は、「ブラジルは金融の未来を受け入れる活気ある市場であり、同国の規制当局の取り組みを深く評価する」と述べ、コンプライアンスとセキュリティを重視した安全なプラットフォーム提供に引き続き注力する姿勢を強調した。
世界規模での規制遵守への取り組み
バイナンスは、2025年に入ってからアルゼンチン、インド、カザフスタン、インドネシアなどの地域で規制承認を獲得している。また、それ以前にはドバイ、フランス、日本、エルサルバドルなどでも規制当局からライセンスを取得しており、同社のグローバル展開を加速させている。
同社は、国際基準に準拠したマネーロンダリング防止(AML)やテロ資金供与対策(CFT)フレームワークを整備し、不正資金の流入を防止している。また、本人確認(KYC)や企業確認(KBC)を徹底し、安全な取引環境を構築。さらに金融犯罪対応ユニット(FCC)を設け、法執行機関を支援しながら仮想通貨関連犯罪の調査を行い、エコシステム全体のセキュリティ強化に貢献している。
ブラジルでの次なる展望
ブロックチェーン・セキュリティ企業「Chainalysis(チェイナリシス)」のグローバル仮想通貨採用指数で10位にランクされるブラジルは、規制環境の整備が進む市場として注目されている。同国では中央銀行と税務当局が具体的な規制案を公開協議にかけており、議会でも資産分離やステーブルコインに関する法案が議論されている。こうした背景が、バイナンスのブラジル市場での成長をさらに後押しすると期待されている。
今回の承認を皮切りに、バイナンスはブラジルでのサービス提供をさらに強化し、ユーザーに安全かつ革新的なプラットフォームを提供することで、地域における仮想通貨の普及を一層促進していく計画だ。同社のグローバルな成長戦略において、ブラジル市場は極めて重要な拠点となっている。
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