分散型取引所Aster(アスター)は17日、デリバティブ取引に特化した独自のレイヤー1ブロックチェーン「アスターチェーン」のメインネットをローンチした。中央集権型取引所(CEX)並みの処理速度と、強固なプライバシー保護を備えているのが特徴だ。
超高速・ガス代ゼロ・匿名取引を実現
同チェーンは、DEXならではの透明性やユーザー自身による資産管理の利点を維持しつつ、CEXと同等の使いやすさを提供することを目的に設計された。注文の照合や取引ロジックなどはすべてオンチェーン上で処理され、ブロックチェーン上に記録される仕組みだ。
「PoSA」というコンセンサスアルゴリズムにより、超低遅延の取引環境を実現した。ブロックの生成時間はわずか50ミリ秒で、1秒あたりの取引処理数(TPS)は最大10万件に達する。さらに、ユーザーが取引時に負担するネットワーク手数料(ガス代)は無料に設定されている。
ZK技術を用いた強固なプライバシー保護
最大の強みは、初期設定で有効になっているプライバシー保護機能である。有効時は口座残高や保有ポジションが公開されず、第三者が個人のウォレットアドレスと取引履歴を紐づけることは事実上不可能となる。トレーダーの行動分析や追跡をシステムレベルで防ぐ設計である。
この強力な匿名性は、ゼロ知識証明(ZK)と呼ばれる暗号技術と、取引のたびに自動生成される使い捨ての「ステルスアドレス」によって実現されている。すべての注文データはオンチェーンに記録されるが、暗号化されているため外部からは読み取ることができない。
すべての情報が完全に隠蔽されるわけではなく、必要に応じた情報開示も可能だ。ユーザー自身が「ビューアーパス」を発行することで、指定した第三者にだけ取引履歴を復号して共有できる。第三者に実績を証明する必要がある場面などで活用できる機能である。
充実した取引機能と今後の展望
証拠金は、口座全体でリスクを共有するクロスマージンと、ポジションごとに管理する分離マージンの両方に対応する。また、バイナンスなど14の主要取引所からリアルタイムで価格を取得するオラクルシステムを利用し、正確な資金調達率の計算や清算を実行する。
他チェーンとの相互運用性も確保しており、現在BNBチェーン
BNB、イーサリアム
ETH、アービトラム
ARB、ソラナ
SOLからのクロスチェーン入金に対応している。入金手数料は無料で、通常1〜5分で反映される。長期的には複数エコシステムをまたいだ流動性の統合を目標としている。
今回のローンチは複数段階ある計画の第1フェーズに位置づけられる。今週中にはアスタートークン
ASTER保有者向けのステーキング機能が公開される予定だ。なお、初期段階におけるネットワークの安全性確保、および独自のマッチングエンジンアルゴリズムの保護のため、コアとなるスマートコントラクトのコードは当面の間非公開とされる。
最大の競合であるハイパーリキッドは全取引が公開されるため、大口投資家の取引手法が露呈する弱点があった。アスターがデフォルトで提供するプライバシー機能は、自身のポジションや戦略を知られたくない機関投資家の資金を呼び込む強力な差別化要因となるだろう。
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