米国債はもう安全資産ではない?ヘイズ氏が金・金鉱株・BTCを推奨
暗号資産(仮想通貨)取引所「BitMEX(ビットメックス)」の共同創業者であり、有名トレーダーのアーサー・ヘイズ氏が5日、自身のX(旧ツイッター)で今後の金融市場に関する見解を投稿した。ヘイズ氏は、米国債と米国株がもはや「グローバル準備資産」としての地位を失いつつあるとし、代わって金やビットコインといった非ドル資産の重要性が増していくとの見方を示した。
ヘイズ氏はまず、「THE END(終焉)」と題して、米国債および米国株の国際的な基軸資産としての地位が揺らいでいると指摘する。1971年にニクソン大統領が金本位制を停止して以来、米国債の発行残高は約85倍に膨れ上がった。この過程で米国は、世界経済の成長を支えるために「信用創造によるドル供給」を担ってきたと述べている。
この体制は一部の米国人にとっては恩恵をもたらしたが、その他大勢の米国人は取り残されたという。その結果として、2016年にドナルド・トランプ氏が大統領に選出された背景には、「過去50年の米国の繁栄から疎外されたと感じる人々の支持」があったと分析する。
現在、トランプ氏が掲げる保護主義的政策が再び勢いを増す中、ヘイズ氏は「もし米国の経常赤字が解消されれば、外国は米国債や株式を購入するためのドルを持たなくなる」と警鐘を鳴らす。各国が自国経済を優先するようになれば、彼らは保有する米国資産を売却して自国の成長を支えるだろうというのが、彼の見立てである。
さらにヘイズ氏は、「たとえトランプ氏が関税政策の厳しさを緩和しても、各国の財務大臣や首脳は再び方針転換されるリスクを恐れ、かつてのようなグローバルな資本の流れには戻らない」と断言。「各国は自国のために最善を尽くさねばならない」と述べ、国家主義的な経済運営へのシフトを予測する。
そして話題は「THE RETURN(回帰)」へと移る。彼は、金が再び中立的な準備資産として国際貿易の決済に用いられるようになると主張する。ドルが基軸通貨である状況はしばらく続くものの、「各国が金を準備資産として保有する世界」への移行が進むと見ている。トランプ氏が金に関心を示した背景には、「金は関税対象外」という実利的な理由もあると指摘した。
「金は自由かつ安価に流通する必要がある」と述べる一方で、現在の金融秩序の恩恵を受けてきた層は「まだ現実を受け入れられておらず、従来の“正常”が戻ると信じている」と一蹴。「ばかげている(Poppycock)」と断じ、認識の転換を促した。
最後に、具体的な資産として「金、金鉱株、そしてビットコイン(BTC)」の購入を推奨。「1971年以前の貿易関係に適応したい者はこれらを持て」と語って投稿を締めくくった。
今回の投稿は、単なる市場の短期的な見通しにとどまらず、世界的な金融秩序の変化と地政学的リスクの高まりを見据えた内容となっている。ヘイズ氏の主張には誇張的な要素も見られるが、金融の多極化が進む中で「金」や「ビットコイン」といった代替資産の戦略的価値を再評価する動きは、今後さらに加速する可能性があるだろう。
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