巨額現金の目減りに危機感、マイクロストラテジーに続く動き?
「全米公共政策研究センター(NCPPR)」は、「Amazon(アマゾン)」に対し、ビットコインを財務戦略に組み入れる株主提案を提出した。この提案は、2025年4月の年次株主総会で審議される予定だ。資産運用会社「Jubilee Royalty(ジュビリー・ロイヤリティ)」のCEO、Tim Kotzman(ティム・コッツマン)氏が9日(現地時間8日)、自身のXポストで報告した。
全米公共政策研究センターが2025年の株主総会で審議するために、アマゾン・ドット・コムに添付の株主提案を提出。
株主は、取締役会に対し、ビットコインを会社の財務に加えることの評価を求める。
アマゾン株主がビットコイン投資を提案する背景には、インフレによる現金資産の目減りへの懸念がある。アマゾンは現在、751億ドル(約11兆2,650億円)の現金および債券資産を保有しているが、インフレ率の上昇によりこれらの資産価値の低下を株主は危惧している。
株主提案では、ビットコインがインフレヘッジとして有効であることが強調されている。
- 過去1年間のビットコイン価格上昇率は131%
- 同期間の債券リターンを126%上回る
- 2022年6月に記録した9.1%のインフレ率への対策が必要
- 過去5年間でビットコインは1,246%もの価格上昇を記録し、債券を大きく凌駕
この提案は、暗号資産(仮想通貨)業界に大きな影響を与える可能性がある。
- 大手企業によるビットコイン導入の加速:アマゾンがビットコイン投資に踏み切れば、特にFAANG企業を含む他の大手企業が追随する可能性。
- ビットコインの価格上昇:アマゾンのような巨大企業がビットコインを購入すれば、需要増加により価格上昇が期待される。
- 仮想通貨市場全体の信頼性向上:アマゾンがビットコインを保有することで、市場全体の信頼性が大幅に高まる。
仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」元CEOのChangpeng Zhao(CZ / チャンポン・ジャオ)氏は、この提案を受け、アマゾンに対し、まずは仮想通貨決済を導入するよう提案した。
シンプルだ。ビットコイン決済を受け入れるか?
企業がビットコインを財務資産として導入する動きは、「Microstrategy(マイクロストラテジー)」の成功例をきっかけに、すでに加速している。ソフトウェア企業のマイクロストラテジーは、2020年にビットコイン投資を開始し、その結果、株価は1年間で550%も上昇した。これは、同期間におけるアマゾンの株価上昇率57%を大きく上回る数字である。 また、世界最大の資産運用会社「BlackRock(ブラックロック)」や「Fidelity(フィデリティ)」がビットコインETFを市場に投入しており、機関投資家の間でもビットコインへの関心が高まっている。
アマゾンはこの株主提案に対してまだ公式声明を発表していない。しかし、マイクロソフトも同様の提案を受けており、今後、大手企業によるビットコイン投資の動きがさらに活発化する可能性がある。アマゾンの決断が仮想通貨業界の行方を大きく左右する可能性があり、今後の動向に注目が集まる。
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情報ソース:ティム・コッツマン氏X / CZ氏X