RWAのトークン化と金融基盤を強化へ
RWA(実世界資産)のトークン化を専門とする米国Web3企業「Securitize(セキュリタイズ)」は15日、デジタル資産ファンド管理会社「MG Stover(MGストーバー)」のファンド管理事業の買収を発表した。
今回の買収により、MGストーバーのファンド管理チームがセキュリタイズ傘下である「Securitize Fund Services(SFS)」に加わり、同社のファンド管理プラットフォームの拡大を支える。これにより、SFSは管理するファンド数が715件に拡大。総額380億ドル(約5.4兆円)もの資産を抱える大規模な金融プラットフォームへと成長を果たした。
MGストーバーのファンド管理チームは2007年の設立以降、質の高いファンド管理と投資家目線に立った技術提供が高く評価されている。今回その専門チームを迎え入れたことで、セキュリタイズは一次発行(プライマリー・イシュー)やトークン化サービス、証券代行など既存の提供サービスを強化し、より広範かつ専門的な金融サービスをワンストップで提供できる体制を整えた形だ。
セキュリタイズ共同創業者兼CEOのカルロス・ドミンゴ氏は「機関投資家向けのRWAのトークン化とファンド管理を一体的に提供する、最も包括的なプラットフォームとしての地位を確立した」とコメント。今回の買収が企業成長の大きな節目であることを強調した。
なお、セキュリタイズは14日時点で、オンチェーン上に約33億ドル(約4,700億円)相当の資産を発行している。中でも、資産運用大手「BlackRock(ブラックロック)」と共同で立ち上げたトークン化ファンド「BUIDL」は24億5,000万ドル(約3,500億円)と、発行額の大部分を占める。その他構成資産としては、トークン化株式「Exodus(エクソダス)」が4億ドル超(約570億円)、機関投資家向けファンド「BCAP」は1億5,000万ドル超(約214億円)、プライベート・クレジットファンド「ACRED」は6,500万ドル超(約92億円)となっている。
セキュリタイズは3月18日、ステーブルコイン開発企業「Ethena(エセナ)」と連携し、新たなブロックチェーン「Converge(コンバージ)」を発表。RWAのトークン化推進に対して積極的な動きを加速させている。今後もセキュリタイズによる次世代金融インフラ構築の促進はもちろん、デジタル資産市場での新たな活躍に期待したい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.71円)