ソラナDEX「レイディウム」、1月取引高1,240億ドルでユニスワップ超え

背景にミームコインブーム

Solana（ソラナ）ブロックチェーン上の分散型取引所（DEX）である「Raydium（レイディウム）」が、先月1月の取引高で「Uniswap（ユニスワップ）」を上回った。

イーサリアム系DEXの“王様”ともいえるユニスワップを抜くなど夢物語と思われていたが、1月のレイディウムの取引高は約1,240億ドルに達し、ユニスワップの約1,000億ドルを超えた。

さらに、ソラナ上のDEX取引量はイーサリアムの約3倍（約200.6％増）に達し、レイディウムは全DEX市場において約27.1％のシェアを獲得した。もはや“お化けボリューム”といえる規模で、尋常ではない状況を示現している。

ソラナは取引スピードが速く、ガス代も破格に安い。トランザクションコストが著しく低いのは、ユーザーにとって大きな魅力である。イーサリアムもL2ソリューションの導入を進めているが、混雑時には依然としてガス代が高騰する。その点、ソラナは小口投資家や投機的トレーダーを引き寄せるうえで有利といえる。

軽視できないのがミームコインの存在だ。SNSで火がつけば瞬く間に売買が膨れ上がり、多くのトレーダーが「祭りだ、飛び乗れー！」とばかりに短期売買に殺到する。レイディウムは2025年1月、ミームコイン関連の取引が大きな割合を占めていた可能性が高い。「Grayscale Research（グレイスケール・リサーチ）」の2024年12月の分析によると、ミームコインの高リターンと投機的取引の増加を背景に、Consumer＆Culture Crypto Sectorが最も多くの新規トークンを追加した。こうした市場動向を踏まえると、レイディウムにも同様の影響が及んでいたと考えられる。もっとも、ミームコイン人気は一時的なブームに過ぎない可能性もあるため、長期的には冷ややかな見方も少なくない。

レイディウムは「中央集権型オーダーブック＋AMM」のハイブリッドモデルを採用している。ユニスワップのようなAMMのみのDEXと異なり、オーダーブックの要素を取り入れることでスリッページを抑えやすい。また、ソラナの高速処理と相まって、取引を柔軟かつ迅速に約定できるため、ユーザーからも「これなら使いやすい」と評価されている。LEOビール片手に注文すれば、すぐに約定して「おっ、もう入ったか」などと妙に気持ちがいいものだ。

思うに、レイディウムの短期的な盛り上がりは「アリ」だが、長期的には不透明である。ミームコインブームが落ち着けば取引高が一気にしぼむ可能性があるし、ソラナはたびたびネットワークダウンやノード停止の問題があり、イーサリアムほど信頼性が確立されていない面もある。イーサリアム陣営はL2導入を加速し、ユニスワップも進化を続けているため油断はできない。

しかし、レイディウム対ユニスワップのようにチェーンやDEXが競合する状況は、ユーザーにメリットが大きい。手数料の引き下げや「取引速度」「UX」「セキュリティ」などの技術革新が期待されるからだ。また、ブロックチェーン全体がイーサリアム一強ではなくなりつつあるため、システム全体としての分散化が進み、一部チェーンが混雑しても他チェーンでの取引が補完できる可能性が高まるだろう。

レイディウムがユニスワップを凌駕した背景として、ソラナの「高速」「低手数料」「ミームコインブーム」「ハイブリッドDEX」といった要素が一気に燃え上がったのは確かである。ただし、ブロックチェーン業界は日々アップデートが進行し、イーサリアムは依然として巨大な勢力である。競争が激化すれば市場はより活性化してユーザーにとって選択肢が増えるという点では、まことに酒の肴として面白い。

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