- Raydiumは、Solanaブロックチェーン上に構築された分散型取引所(DEX)で、ユーザーはウォレットを接続するだけで、トークンのスワップ(交換)、永久先物取引(レバレッジ取引)、プール(流動性提供)、ステーキングが可能。
- スワップ機能では、保有するトークンを他のトークンと簡単に交換でき、プール機能ではトークンのペアを預けることで報酬を獲得でき、ステーキングは特定のトークンを預け入れることで、利息や報酬を受け取れる。
- 永久先物取引では、ガスフリー取引で80銘柄以上を業界最安手数料で取引が行える
この記事では、DEX初心者や、仮想通貨の様々な稼ぎ方を知りたい人に向けて、Raydiumの概要やRaydiumを使えるようになるまでの手順、そしてRaydium上でできることを解説しています。
分散型取引所「Raydium(レイディウム)」とは?
名称 | Raydium(レイディウム) |
対応チェーン | Solana(ソラナ) |
対応ウォレット | Phantom、BackPack、Sollet、Ledger等 |
モバイルアプリ | 未対応(ブラウザを使った取引のみ) |
登録方法 | ウォレットの接続のみ |
日本語対応 | なし |
公式サイト | https://raydium.io/ |
公式Twitter | https://twitter.com/RaydiumProtocol |
公式Discord | https://discord.com/invite/raydium |
Raydiumは2021年2月にSolanaブロックチェーン上にローンチされたDEX(分散型取引所)です。DEXとは、管理者がおらず契約が自動的に実行される仕組みであるスマートコントラクトによってユーザー同士で取引可能であることが特徴です。一方で、企業などにより中央集権的に管理・運営されている取引所はCEX(中央集権型取引所)と呼ばれています。
Raydiumに集められた資金の合計は2025年1月時点で20億ドル以上であり、SOLブロックチェーン上にローンチされているDEXの中で最大級です。また、Raydiumは独自のトークン「Ray」を発行しています。
Raydium上でできること
- スワップ(交換):
自分が持っているトークン(通貨)を他のトークンと交換すること。 - Raydium Perps(永久先物取引):
仮想通貨のレバレッジ取引 - プール(流動性提供):
トークンのペアを預け、利息などの報酬を受け取ること。 - ステーキング:
1つのトークンを預け、利息などの報酬を受け取ること。
Raydiumの使い方
スワップ(交換)
Raydiumではウォレット内にトークン(仮想通貨)を保有していれば、簡単に別のトークンにスワップ(交換)できます。ここではスワップのやり方を解説します。
まずは、Raydiumのサイトにウォレットを接続します。https://raydium.io/ にアクセスしたら右上の「Launch app」をクリックします。
次に右上の「Connect Wallet」ボタン、または画面中央の「Connect Wallet」ボタンを押します。ウォレットが接続されたら右上にウォレットアドレスが表示されます。左のメニューの上から2番目にある「Swap」を選択します。
交換元のトークンが上に、交換先のトークンが下に来るようにそれぞれ選択します。今回はUSDTをSOLにスワップします。
交換元と交換先のトークンを選択した後、どちらかの数量を入力すると自動的に交換レートが表示されます。表示された内容を確認して問題が無ければ下の「Swap」を選択します。
すると、ウォレットが開き、取引内容の詳細が表示されます。記載内容を確認の上、「承認」を選択します。取引が開始され、しばらく待つとスワップが完了します。
Raydium Perps(永久先物取引・レバレッジ取引)
Raydiumでは、2025年1月10日より、Orderly Network(オーダリーネットワーク)との提携により、新たな永久先物取引サービス「Raydium Perps(レイディウム・パープス)」のパブリックベータ版の提供を開始しました。簡単に言うと仮想通貨のレバレッジ取引が行えるようになりました。
現時点では80銘柄以上の銘柄を取り扱っており、さらにガスフリー取引で取引手数料も業界最低水準となっています。ここでは、取引のやり方を解説します。
関連:ソラナDEX「Raydium」、業界最安の永久先物取引ベータ版を提供開始
まず、トップ画面上の「Perpetuals」をクリックして、画面右上の「Connect Wallet」を選択し、お好みのソラナ系ウォレットを接続します。接続が完了するとOrderly Networkとの連携承認を求められるので、そちらの承認も行います。
次に証拠金として利用するUSDCを入金します。画面右の「Deposit(入金)」をクリックすると、入金画面に移行するので、入金したい金額を入力して「Deposit」を選択後、承認を行い入金を行いましょう。※入金を行うためにはトランザクション手数料として、少額のSOLが必要なので前もって接続したウォレットにSOLを入金しておく必要があります。
画面右に取引可能な銘柄を並んでいるため、そこから銘柄を選択します。次に画面右が注文画面となっているので、買い(Buy)または売り(Sell)を選択後、指値注文の場合はLimit orderを選択して注文価格と注文数量を入力後、BuyまたはSellをクリックして注文を出します。成行注文の場合は、Market orderを選択して注文数量のみを入力し、サイドにBuyまたはSellをクリックして注文を出しましょう。
注文が約定すると、最後は決済を行いトレード終了となります。注文が約定すると画面したの「Positions」欄に現在のポジションが表示されているので、下記画像の①または②を入力して決済を行います。
- ①:指値決済で「Qty.(数量)」「Price(価格)」を入力すると、入力した価格に到達すると自動的に決済されます。
- ②:「Close」では全ての数量を成行で決済できます。「TP/SL」は利確と損切りの価格を設定して、指定した価格に到達すると自動的に決済されます。
プール(流動性提供)
Raydiumでは、トークンのペアを作って保管場所である「プール」に預けることで流動性を提供することができます。流動性を提供することで、預けた額に応じた報酬を受け取ることが可能です。ここでは流動性提供のやり方について説明します。
左のメニューの上から3番目にある「Liquidity」を選択します。Liquidityの画面上で、流動性を提供したいトークンのペアを選択します。選びたいトークンのペアが逆になっていても、意味は変わらないので問題ありません。
画面下の「Confirm」を選択の上、「Add Liquidity」をクリックするとウォレットアプリが開くので、「承認」を押すとトークンのペアが作成されます。
また、画面下部の「Your Liquidity」に自分の作ったトークンのペアが表示されるため、取引が成立したか不安な方は「Your Liquidity」で確認しておきましょう。
左のメニューの上から6番目の「Farms」を選択し、STEP2で作ったトークンのペアと同じものを選択します。すると、「Start Farming」というボタンが表示されるのでクリックし、提供する量を入力した上で「Stake LP」を選択します。
すると、ウォレットが開き、取引内容の詳細が表示されます。記載内容を確認の上、「承認」を選択します。取引が開始され、しばらく待つと流動性提供が完了します。
流動性提供が完了すると、自分のポジションと獲得した報酬が表示されます。Raydiumでは、流動性提供の報酬としてRAYを受け取ることができます。
追加で流動性を提供したい場合は、STEP1、STEP2と同じ手順でトークンのペアを作成し、「Add Liquidity」を選択します。
プール(流動性提供)の解除方法
逆に、流動性提供をやめたい場合は、「Add Liquidity」の隣にある「-」を選択します。今まで提供したトークンのペアと報酬のRAYをまとめて受け取ることができます。
また、トークンのペアを解消したい場合は、左のメニューの上から3番目にある「Liquidity」をクリックし、画面下部にある「Your Liquidity」欄に表示されているトークンのペアを選択し、「-」を選択します。
すると、トークンのペアが解消され、もとのトークンに戻すことができます。
プール(流動性提供)に関する注意事項
インパーマネントロス
例えば2種類のトークンをRaydiumに預けて流動性を提供していた際に、どちらか一方のトークンが急激に価格変動した場合に、残る一方のトークン価値がプールする前より低くなってしまうことがあります。これをインパーマネントロス(Impermanent Loss)、日本語でいうと変動損失といいます。インパーマネントロスの計算は「Yield watch」といったサイトで調べることができるので、活用してみてください。
ラグプル
Raydiumでは誰でもトークンを上場でき、流動性を提供することが可能です。そのため悪意をもったユーザーが新しいトークンの流動性を作成し、価格をつり上げて多くのユーザーにプールさせ、その後プールから流動性を引き抜いて持ち逃げすることも可能です。これをラグプル(Rug Pull)といいます。
Rugはラグ・絨毯(じゅうたん)、Pullは引っ張るという意味で、ラグに乗っているもの(仮想通貨)をまるごと取られてしまう様子に似ているためラグプルと呼ばれています。
ステーキング
Raydiumでは、流動性提供の報酬として受け取ったRAYをステーキングすることができます。ステーキングをすることで、報酬として更にRAYを得ることが可能です。
ここでは、RAYのステーキングのやり方について説明します。
左のメニューの上から6番目にあるFarmsをクリックして、自分が流動性を提供したトークンのペアまで移動します。「Harvest」を選択し、RAYを受け取ります。
左のメニューの上から7番目にあるStakingをクリックして、RAYを選択します。そして「Start Staking」をクリックします。すると、ウォレットが開き、取引内容の詳細が表示されます。記載内容を確認の上、「承認」を選択します。取引が開始され、しばらくするとステーキングが開始されます。
ステーキングと流動性提供と組み合わせることでRAYを効率的に増やすことができるため、積極的に活用することをオススメします。
また、流動性提供で得られたRAYを追加でステーキングしたい場合は、「Staking」を選択してRAYを投入します。逆に、RAYのステーキングをやめたい場合は、「-」を選択することで供給したRAYとステーキングで得られたRAYをまとめて受け取ることができます。
その他の機能
Raydiumにはスワップ、プール、ステーキング以外にも、IDOに参加ができる「AcceleRaytor」、NFTを配布する「Dropzone」という機能があります。
IDOへの参加(AcceleRaytor)
Raydiumでは不定期でIDOを開催しており、参加条件を満たすことでエントリーすることができます。
IDOはInitial DEX Offeringの略で、DEX上で開催される通貨(トークン)のセールのことを言います。当選確率は決して高くはないものの、当選すれば高い報酬を得ることが可能です。
参加条件については、公式Twitterに記載されているため定期的に見ておくとよいでしょう。なお、RAYのステーキング期間、ステーキング量に応じて得られるチケットの枚数が変わり、チケットが多ければ多いほど当選確率が上がります。
NFTの配布(Dropzone)
AcceleRaytorより頻度は少ないですが、Raydiumでは不定期でNFTのセール、配布を行っています。過去には「Cyber Samurai」や「Jungle Cats」といったプロジェクトとコラボをしていたそうです。Dropzoneに関する情報は、公式Twitterで随時アナウンスされます。
よくある質問
最後にRaydiumに関するよくある疑問に対してQ&A形式で回答していきます。
Raydiumは分散型取引所(DEX)であるため、ハッキングのリスクは常に抱えています。問題が発生しても、基本的にはユーザーの自己責任になる点に注意しましょう。
実際に、2022年12月16日にRaydiumでハッキング事件が起こっています。被害額は440万ドルで、SOL、USDC、USDT等が盗まれました。
しかし、このハッキングを機にさらにセキュリティを強化しています。