マイクロストラテジー株、ナスダック100正式採用後に22%下落
米「MicroStrategy(マイクロストラテジー)」社は23日、Nasdaq 100(ナスダック100)への正式採用を果たしたが、その直後から同社の株価は5営業日で22%下落した。
マイクロストラテジーは、ビットコイン投資で知られるクラウドソリューション企業。通常であれば「ご祝儀相場」を期待する向きも多かったが、現実はそう甘くなかったようだ。
本稿では、年末特有の利益確定売りやビットコイン市場との一体感がもたらすリスクなど、下落要因を整理しながら市場の反応とその背景を探る。
「期待の星」に暗雲
マイクロストラテジーがナスダック100に組み込まれた際、多くの投資家は株価上昇を予想した。実際、同社の株は、2024年に380%上昇と目覚ましいパフォーマンスを示していたからだ。
だが、いざナスダック100に採用されるや否や、株価は下落に転じた。機関投資家や一部の大口投資家による利益確定売りが下落圧力を高めたことが要因とみられる。
年末の「利益確定売り」が追い討ち
年末の相場では、税金対策やポートフォリオ再調整のために利益確定の売りが膨らみやすい。特にハイテク株や高成長銘柄は本年大きく上昇したものが多く、ここにきて投資家が一気に売りに回るケースが相次いだ。
「Amazon(アマゾン)」や「NVIDIA(エヌビディア)」など主要銘柄の値動きが軟調となれば、ナスダック100全体のセンチメントを悪化させる。マイクロストラテジーもこの流れを免れなかった。
ビットコイン保有がもたらす高ボラティリティ
マイクロストラテジーの株価は、いわばビットコインの「代理指標」として機能する場面が多い。足もとでビットコインが調整局面に入ったことも、株価下落に拍車をかけた。ビットコイン市場が一時的に下落すれば、株式市場においても連動した売り圧力が強まる構図だ。
S&P 500入りへの思惑とFRBの影響も
一部では、マイクロストラテジーのS&P 500採用を見越した先回り買いも進んでいた可能性が指摘されている。こうした期待が過熱気味であったとすれば、失望売りが顕在化するのも自然な流れだ。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが想定よりも緩やかになるとの観測も、リスク資産全般にとって逆風となっている。暗号資産(仮想通貨)とハイテク株がとりわけ売られやすい環境にさらされている状況だ。
まとめ
ビットコインの価格が再度上昇に転じれば、マイクロストラテジーの株価も息を吹き返す可能性は高い。ハイテク株や仮想通貨はボラティリティが高く、引き続き注意深い見極めが求められるだろう。
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