日本最大のビットコイン財務企業で東証スタンダード上場のメタプラネット(3350)は29日、第三者割当による新株式および第25回新株予約権の発行を決議した。新株式発行により約122億円を確定調達し、新株予約権の全行使により最大約88億円の追加資金調達が可能となる。合計で最大約210億円の大規模資金調達となり、同社のビットコイントレジャリー戦略を大きく加速させる内容だ。
122億円の新株発行を確定
新株式発行の概要は、発行株数2,452万9,000株、発行価額1株499円、調達総額約122億4,000万円。発行価額は発行決議日前営業日(1月28日)の終値475円に対し5%のプレミアムを付した水準で設定された。払込期日は2026年2月13日を予定している。
募集方法は第三者割当による海外募集で、割当先は海外機関投資家となる。同社は過去にも海外投資家向けの資金調達を実施しており、今回も同様のスキームを採用した形だ。
この新株発行により、発行済株式総数に対する希薄化率は約2.1%となる見込み。同社は「mNAV(修正後純資産倍率)が1倍を上回る株価水準においては、普通株式による資金調達が株主価値向上に寄与する」との判断を示している。
最大88億円の新株予約権を発行
第25回新株予約権は発行個数15万9,440個、1個当たり発行価額523円、総額約8,339万円で発行される。潜在株式数は1,594万4,000株で、行使価額は1株547円に設定された。これは発行決議日前営業日の終値に対し15%のプレミアムを付した水準だ。
重要な点は、今回の新株予約権は行使価額の修正条項が付されていない固定価格ワラントである点だ。従来のMSワラント(行使価額修正条項付ワラント)とは異なり、株価下落時でも行使価額は547円に固定される。これにより、株価が547円を上回る局面でのみ行使されるため、既存株主にとって希薄化のタイミングが予測しやすい構造となっている。
行使期間は2026年2月16日から2027年2月15日までの1年間。全ワラントが行使された場合、約88億円の追加調達が可能となる。
資金の7割をビットコイン購入に充当
調達資金の使途内訳は、ビットコイン
BTC購入に約140億円、ビットコインインカム事業に約16億円、クレジットファシリティ返済に約52億円を充当する予定だ。
特にビットコイン購入への配分が約7割を占めており、同社のBTC保有拡大戦略が鮮明になった。同社は2025年末時点で約3.5万BTCを保有しているが、2026年末10万BTC、2027年末21万BTCの保有目標を掲げている。今回の資金調達により、この目標達成に向けた動きが加速する見込みだ。
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クレジットファシリティ返済に約52億円を充てる理由について、同社は「借入余力を回復・確保することで、将来の追加的なビットコイン取得や資本政策を機動的に実行できる体制を維持する」と説明している。同社は最大5億米ドルのクレジットファシリティ契約を締結しており、2026年1月28日時点で約2.8億米ドルを借入中だ。
同社は今回の資金調達について「調達資金を主にビットコイン取得に充当することで、1株当たりビットコイン保有数量の拡大が見込まれ、既存株主の利益向上につながる」との見解を示している。ただし、新株予約権の行使は割当先の判断に委ねられるため、株価が547円を下回る局面では行使が進まない可能性もある。




