Maple Finance、Lidoと提携──stETH担保の機関投資家向け融資が可能に

伊藤 将史
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stETHを保有したまま流動性を確保可能に

暗号資産(仮想通貨)のレンディングプロトコル「Maple Finance(メイプルファイナンス)」は12日、大手リキッドステーキングプロトコル「Lido Finance(リドファイナンス)」との提携を発表した。

この提携により、利用者はLidoが発行するリキッドステーキングトークン「stETH」を担保として、ステーブルコインのクレジットライン(融資枠)を利用できるようになる。

リキッドステーキングとは、仮想通貨のステーキング金利を受け取りつつ、さらに預け入れた仮想通貨と同額の代替資産(リキッドステーキングトークン)を受け取り、運用できる仕組みである。ステーキングサービスの難点であった預け入れ資産のロック期間による流動性低下を、リキッドステーキングトークンの供給という形で解消したものだ。

メイプルファイナンスの共同創設者兼CEOであるシド・パウエル氏は、今回の提携について次のように述べている。「この統合は、すでに資本戦略でstETHを利用している機関投資家からの高まる需要を正式なものにするものです。stETHを担保とした融資を可能にすることで、機関投資家が中核資産をステークしたまま生産性を維持しつつ、流動性にアクセスしやすくなります。」

リドファイナンス側も、機関投資家によるstETHの利用機会の拡大に前向きな姿勢を示している。機関投資家向け渉外責任者を務めるキーン・ギルバート氏は、次のようにコメントしている。「メイプルファイナンスによるstETHのサポートは、柔軟で効率的なDeFi戦略に対する機関投資家のニーズに直接応える、価値ある流動性ソリューションを提供するものです。これは、リキッドステーキングトークンが現代の財務管理において果たす実践的な役割を浮き彫りにしています。」

この提携は、機関投資家にとってstETHを活用した資金調達手段の拡充につながる。ステーキング報酬を維持しつつ資金調達が可能になるため、今後の利用拡大が期待される。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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