トロン創設者のジャスティン・サン氏は12日、自身のXで、トランプ米大統領一族が支援する分散型金融(DeFi)プラットフォーム「World Liberty Financial(WLFI)」を公開で非難する声明を発表した。WLFIトークンのスマートコントラクトに秘密裏に埋め込まれたブラックリスト機能──いわゆる「バックドア(裏口)」を告発し、プロジェクト内部の「不良行為者」を強く批判している。
バックドアとは、開発者が外部に公表せずにプログラムに仕込む隠し機能のことで、今回のケースでは運営側が一方的にトークン保有者の資産を凍結できる仕組みを指す。
「分散化の対極」──バックドアの存在を告発
サン氏はWLFIの初期投資家として「大量の資金を投入した」と述べた上で、「投資者や私に一度も開示されなかった」として、WLFIトークンのスマートコントラクトに埋め込まれたブラックリスト機能の存在を告発した。同機能により、WLFI運営側は通知・理由・救済手段なしに、任意のトークン保有者の資産を凍結・制限・実質没収できるという。
サン氏はこの機能を「分散化の対極」であり「門に偽装された罠」と表現。自身が「最初かつ最大の被害者」であるとし、2025年にWLFIトークンのウォレットが不正にブラックリストに登録されたと主張した。
サン氏のウォレット凍結は2025年9月にJinaCoinでも報じていた。当時サン氏は「トークンは神聖で不可侵であるべき」と抗議しつつも、追加で1,000万ドル(約15億円)のWLFI買い増しを表明するなど、プロジェクトへの支持を維持していた。今回の声明は、その姿勢からの完全な転換となる。
ガバナンス投票の不正を指摘──「結果は最初から決まっていた」
サン氏はさらに、ブラックリスト機能を正当化するために実施されたとするガバナンス投票についても、その公正性に疑問を呈した。「重要情報が投票者に隠され、実質的な参加が制限され、結果は事前に決まっていた」と主張し、「これらの投票はコミュニティの意志ではなく、設計した者の意志を反映している」と断じた。
WLFIチームに対しては、ユーザーからの手数料搾取、バックドアによる資産コントロール、開示なき投資家資金の凍結、暗号資産コミュニティを「個人のATM」として利用していると列挙し、トークンのロック解除とコミュニティへの透明性の確保を求めた。
「トランプ支持者」の立場は崩さず
注目すべきは、サン氏が声明の冒頭で「トランプ大統領とその暗号資産フレンドリーな政策の堅い支持者だ」と明言している点だ。批判の矛先はトランプ大統領個人ではなく、WLFI内部の「不良行為者」に限定されている。
WLFIをめぐっては、2025年9月の取引所上場直後の価格急落や、2026年2月のステーブルコイン「USD1」の一時的なペッグ外れなど、プロジェクトの透明性や運営実態に対する懸念が繰り返し指摘されてきた。最大規模の初期投資家であるサン氏が完全に対立姿勢に転じたことで、WLFIの信頼性は一段と揺らぐ可能性がある。
関連銘柄:
WLFI
TRX
TRUMP




