エプスタイン、ビットコイン黎明期に関与──テザー創業者・元財務長官と接触

shoko-koyama
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Highlights
  • 性犯罪者エプスタインが2002〜2017年にMITへ約1億3,155万円を寄付、間接的にビットコイン開発を支援
  • 2015年のビットコイン財団崩壊時、エプスタイン資金でMIT DCIが主要開発者3名を雇用
  • テザー共同創業者ブロック・ピアースと元財務長官ラリー・サマーズがエプスタインの邸宅でビットコインについて会合

米司法省(DOJ)が2026年1月30日に公開した文書により、性犯罪者として有罪判決を受けた故ジェフリー・エプスタインがビットコイン黎明期の開発に間接的な資金提供を行い、業界の主要人物と接触していたことが明らかになった。

MITへの資金提供とビットコイン開発者支援

マサチューセッツ工科大学(MIT)が2020年1月10日に公開した調査報告書によると、エプスタインは2002年から2017年の間にMITへ合計85万ドル(約1億3,155万円、1ドル=154.76円換算)を寄付した。この資金の一部は、MITメディアラボとMITデジタル・カレンシー・イニシアチブ(DCI)に配分された。

MIT公式報告書によると、エプスタインは2013年から2017年の間にMITを9回訪問し、スタッフと非公開で面会していた。MIT内部では彼の名前が隠され、一部の職員から「ヴォルデモート」(ハリー・ポッターの悪役)というコードネームで呼ばれていたことも判明している。

2015年4月、当時MITメディアラボ所長だった伊藤穰一氏がエプスタインに送信したメールには、「ギフト・ファンド(寄付資金)を使ってこれを引き受けることができた。これにより迅速に動いて今回の勝利を収めた。ありがとう」と記されていた。この時期、ビットコイン財団が財政危機で崩壊し、主要開発者への給与支払いが停止していた。

MIT DCIは、ビットコインコア開発者のウラジミール・ヴァン・デル・ラーン氏、ギャビン・アンドレセン氏、コリー・フィールズ氏の3名を雇用した。これらの開発者は、ビットコインのコア開発を担う5名のメンテナーのうち3名を占めていた。

テザー創業者と元財務長官との会合

2015年頃、エプスタインのマンハッタンの邸宅で、ステーブルコイン発行企業テザーの共同創業者ブロック・ピアース氏と元米財務長官ラリー・サマーズ氏がビットコインについて会合を持っていたことが、DOJが公開したメールで判明した。

ニューヨーク・マガジンが2015年に執筆を予定していた未公開記事の草稿によると、ピアース氏は自身を「ビットコインの最もアクティブな投資家」と称し、サマーズ氏にビットコインの価格変動について説明した。サマーズ氏は「ビットコインに機会がある」と述べる一方で、「資金を失えば、知性と誠実さを持つ人物から、はるかに知性と誠実さに欠ける人物と見られるようになる」と評判への懸念を示した。

スティーブ・バノンとの暗号資産政策への関与

2018年8月、エプスタインは当時トランプ政権の元首席戦略官だったスティーブ・バノン氏に対し、暗号資産の税制と連邦選挙委員会(FEC)のルールについて助言を求めた。英ガーディアン紙が2025年11月14日に報じた下院監視委員会公開のテキストメッセージによると、バノン氏は対応を約束し、FEC専門家や暗号資産業界のベテランとエプスタインを繋いだ。

エプスタインは、暗号資産の受け取り方法、支払い方法、配布方法、選挙資金規制の回避方法について具体的なアドバイスを求めていた。

ピーター・ティールとの継続的接触

ペイパル共同創業者でパランティア・テクノロジーズ創業者のピーター・ティール氏とエプスタインは、2014年から2018年にかけて継続的に連絡を取り合っていた。2014年5月、エプスタインはティール氏に「楽しかった。3週間後に会おう」とメールを送信した。

複数の報道によると、エプスタインとティール氏はビットコインの法的分類や規制枠組みについても議論していたとされる。

2016年、エプスタインはティール氏の投資会社ヴァラー・ベンチャーズに4,000万ドル(約61億9,040万円)を投資した。同年、ティール氏がトランプ大統領(当時・候補者)の共和党全国大会で演説した際、エプスタインは「trump delegate? fun(トランプ代表?楽しいね)」とメッセージを送った。

調査報道メディア、バイライン・タイムズが2025年12月4日に報じたところによると、2018年にもエプスタインはティール氏に「Are you enjoying LA?(ロサンゼルスを楽しんでいるか?)」とメッセージを送り、カリブ海の島への訪問を提案していた。

トランプ政権要人との関連

DOJが2026年1月30日に公開した300万ページ以上の文書には、現トランプ政権の要人との接点も含まれていた。

ハワード・ラトニック商務長官は、2012年12月にエプスタインから自身の所有するカリブ海の島でのランチに招待され、妻と子供とともにヨットで訪問した。2011年には2人で飲酒していたことも記録されている。ラトニック氏は2025年のインタビューで、エプスタインとの関係を「数十年前に絶った」と述べ、「気持ち悪い人物だった」と評価している。

ラトニック氏は、テザーの銀行パートナーであるキャンター・フィッツジェラルドのCEOでもあり、現在のステーブルコイン業界と政権要人の直接的な繋がりを示している。

ケビン・ウォーシュ氏は、2026年1月30日にトランプ大統領が次期FRB議長候補として指名した人物だが、2010年のメールに「潜在的な招待リスト」として名前が記載されていた。ただし、実際に会合が行われた証拠は確認されていない。

エプスタインの暗号資産構想

公開されたメールによると、2016年10月13日、エプスタインは「中東がシャリア準拠の独自通貨を持つ」というアイデアについて言及し、「ビットコインのようなデジタル通貨を使ってシャリア準拠のデジタル通貨を形成する」構想を記していた。同メールでは「ビットコインの初期関係者の何人かと話をした。彼らは非常に興奮している」とも述べていた。

エプスタインは2019年8月、ニューヨークの拘置所で自殺した。2008年には未成年者への性的勧誘で有罪判決を受け、2019年7月には連邦レベルで性的人身売買の罪で起訴されていた。

関連銘柄:BTCBTCUSDTUSDT

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.76円)

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仮想通貨歴5年。ニュース記者歴3年。常に仮想通貨ニュースを追う。情報ソースを追究し正しい情報をわかりやすく伝えることに努めている。仮想通貨は下落するたび買い増すタイプで、主にステーキングで資産運用中。
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