米経済誌フォーブスは2日、金融分野における30歳未満の優れた起業家・投資家30名を選出する「30 Under 30 Finance 2026」を発表した。今回の受賞者には暗号資産(仮想通貨)関連の創業者8名が含まれ、フィンテック、伝統的金融サービスと並ぶ主要カテゴリーとして位置づけられた。受賞者全体の73%が創業者で、女性が30%、有色人種が41%を占める。
プリビー創業者、ストライプが買収
最も注目を集めたのは、企業向け暗号資産ウォレットサービス「Privy(プリビー)」の共同創業者、アスタ・リー氏(29歳)だ。プリビーは企業がユーザー向けに暗号資産ウォレット機能を簡単に組み込めるサービスを提供し、累計4,200万ドル(約66億円)の資金調達を実施。2025年には決済大手のストライプに買収され、Web3サービスの企業導入を加速させた。
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AI技術で暗号資産セキュリティを強化するOctane(オクテーン)の創業者、ジョバンニ・ヴィニョーネ氏(23歳)も選出された。オクテーンはスマートコントラクトの脆弱性をAIで自動検出するプラットフォームを開発し、1,100万ドル(約17億円)を調達。現在までに58億ドル(約9,000億円)相当の暗号資産を保護している。
レイヤー2とWeb3投資家も選出
その他の暗号資産関連受賞者には、レイヤー2ブロックチェーン「オプティミズム」の共同創業者ベン・ジョーンズ氏(29歳)、暗号資産投資ファンド「シンクラシー・キャピタル」を共同創業したダニエル・チャン氏とライアン・ワトキンス氏(共に29歳)、Web3ブランド「バーント・ザイオン」創業者のアンソニー・アンザローン氏(27歳)、投資会社「エスケープ・ベロシティ (EV3)」共同創業者のサルバドール・ガラ氏(28歳)が含まれる。
フォーブスは審査基準として、資金調達額、企業評価額、革新性、社会的影響を重視した。選出された30名には、フィンテック企業「コバルト・ラボ」の共同創業者カリャニ・ラマドゥルガム氏とアーシ・アグラワル氏(28歳、26歳、AI活用で1,300万ドル調達)、デジタルバンク「スラッシュ」の共同創業者ビクター・カルデナス氏とケビン・バイ氏(共に24歳、企業評価額3億7,000万ドル)も含まれた。
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