機関投資家向けデジタル資産プライムブローカレッジを提供するファルコンXは22日、世界最大規模の暗号資産(仮想通貨)ETP(上場投資商品)プロバイダー21シェアーズの買収に合意したと発表した。この取引は、上場市場とデジタル資産の融合を加速させる重要な一歩となる。
世界最大のETPプロバイダーを傘下に
21シェアーズは2018年にオフィーリア・スナイダー氏とハニー・ラシュワン氏が創業して以来、デジタル資産ETPの世界的リーダーに成長した。2025年9月30日時点で55の上場商品を通じて110億ドル超の資産を管理している。同社は2018年に世界初の物理裏付け型暗号資産ETPを上場した実績を持ち、独自技術プラットフォームと広範なパートナーネットワークを通じて、新商品を迅速かつ大規模に市場投入する能力を備えている。
一方、ファルコンXは2兆ドル超の取引高を処理し、2,000以上の機関投資家顧客基盤を持つ。暗号資産ネイティブな取引、クレジット、技術インフラを提供してきた。
ファルコンXのラグー・ヤルラガッダCEOは「暗号資産ETPは、規制された馴染みのある構造を通じて投資家参加の新たな道を開いている。21シェアーズを通じて上場市場にインフラを拡張することは、市場効率性を強化する自然な次のステップだ」と述べた。
買収完了後も、21シェアーズはファルコンXの傘下で独立して運営される。ラッセル・バーロウCEOが引き続き経営を担い、既存のETP/ETFの構成や投資目的に変更は予定されていない。
この買収は、ファルコンXが2025年に実施する3件目の戦略的取引となる。同社は今年、アルベロス・マーケッツの統合とモナーク・アセット・マネジメントの過半数株式取得を完了しており、ラテンアメリカ、アジア太平洋、欧州・中東・アフリカでの事業拡大を進めている。