- Twitterキラーと呼ばれる分散型SNS「Damus」の登録方法や基本操作を解説
- Lightningネットワークや実装予定のビットコインの投げ銭について解説
- 独自トークンの予定や安全性などよくある質問について解説
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目次
分散型SNS「Damus(ダムス)」の概要
Damus(ダムス)概要
2023年2月1日、分散型SNSアプリ「Damus」がApp Storeに登場しました。Damusは「Twitterキラー」と呼ばれており、Twitter社の元CEOジャック・ドーシー氏が14BTCもの寄付をしている点や、ビットコインで投げ銭ができる点が注目を集めています。今回はDamusについて詳しく解説していきます。
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分散型SNSとは?
Web2を代表するサービスといえばSNSですが、例えばTwitterではトランプ元大統領が一方的にアカウントを凍結されたように、中央集権すぎるという問題があります。Damusではこの問題を解決すべく分散型ネットワーク「Nostr」上に展開されています。
ユーザーコンテンツの所有権が運営企業にゆだねられるWeb2のSNSサービスとは違い、分散型SNSでは投稿コンテンツの所有権はユーザーに帰属します。禁止事項や運営による内容チェックなどはなく、ユーザー自身によって自身のデータコンテンツをすべて管理できるというメリットがあります。
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Nostr(ノストラ)とは?
分散型といえば多くの仮想通貨にも使われているブロックチェーンが有名ですが、「Damus」のベースにある「Nostr」はブロックチェーンでもP2Pでもなく、リレー方式が採用されているネットワークです。
元CIA職員のエドワード・スノーデン氏はNostrについて「既存ソーシャルメディアのプラットフォームとは異なり、オープンなプロトコル」と評しています。
「Nostr(ノストラ)」と「Damus(ダムス)」を並べて読むと、有名な預言者「Nostradamus(ノストラダムス)」になります。
Damusの登録方法・始め方
それでは早速「Damus」の登録方法について解説いたします。Damusは2023年12月現在App Storeのみ対応しています。Andoroidにはまだ対応していませんが、同じくNostrの技術を使った「Amethyst」というアプリはあります。
まずはApp StoreからDamusアプリをダウンロードしてください。
ユーザー情報の登録
以下、ユーザー情報登録の3ステップを解説します。
STEP
アカウント新規作成
Damusアプリを開くと「Create Account」からユーザー登録できます。ボタンを押すと規約画面になるので、確認のうえ「Accept」ボタンを押してください。
STEP
アカウント情報入力
Create Accountでアカウント情報を入力します。
Usernameではユーザー名を登録します、Twitterでいう@〜の部分です。その下のDisplay Nameは表示名になります。どちらも後から変更も可能です。Aboutでは自分について好きなことを入力可能です。AccountIDは公開鍵になります。仮想通貨でいうウォレットアドレスです。
すべて入力できましたら「Create」ボタンを押してください。
STEP
秘密鍵の保管
先ほどのアカウントIDと同じPublic Key(公開鍵)にチェックマークがあるので押すと、PrivateKey(秘密鍵)が表示されます。仮想通貨のウォレットと同じく、メモして大切に保管してください。アカウントの復元に必要となります。秘密鍵をメモできたら「Lst’s go!」を押してください。これで登録は完了です。
TwitterやFacebookなど従来のSNSと違い、メールアドレスや電話番号の登録は不要ですが、秘密鍵を無くすと復元できないので必ずメモしてください。
Damusの基本的な使い方
Damusの登録が終わったら、次は基本的な使い方についてかんたんに解説します。
HOMEメニューの基本情報
まずは左上のアイコンマークを選択してください。
自分の設定した表示名とユーザー名、その下にProfole、Blocked、Relays、Settingの4項目が表示されています。最下部には「Sign out」ボタンと自分のアドレスを示すQRコードがあります。
Profile(プロフィール)の基本情報
Profileを選択すると自分のプロフィール画面になります。
プロフィール画像や表示名・ユーザー名、公開鍵・フォロワー数などが上部に表示され、その下に自分のPOST(投稿)表示されます。Twitterとそっくりですのでわかりやすい方も多いのではないでしょうか?
他の誰かをフォローしたい場合は、表示名ではなく公開鍵を使って検索しますのでご注意ください。
Edit(編集)ボタンを押すと表示名・ユーザー名の変更が可能です。プロフィール画像・背景画像の変更も可能ですが、JPEGなどをアップロードする方式ではなく、すでにWEB上にアップされている画像のURLを読み込んで変更します。ここでは試しにTwitterにアップされているプロフィール画像・背景画像のURLをコピーして入力しました。
Blocked・Relaysの基本情報
Blockedではブロックしたユーザーが表示されます。ブロックしたい時は相手ユーザーのプロフィールの「・・・」を押すとブロックメニューが出てきます。ブロックされたユーザーはタイムラインに表示されなくなります。
Relaysでは現在のリレーサーバーが表示されています。+を押すと追加することも可能です。
Setting(設定)の基本情報
Settingでは公開鍵・秘密鍵の確認や、Damusでリンクするウォレットの設定、サーバー設定などができます。アカウント消去も可能です。
POST(投稿)の基本情報
下部メニューの一番左のHOMEマークを押すと自分が現在フォローしている人のポスト(投稿)やそれに対する返信(Replies)を見れます。また右下にある+マークを押すと自分もポストできます。
自分でポストする際の文字制限はTwitterと比較すると多いです。試しに長文を投稿してみましたが問題なく表示されました。また画像の挿入は2023年2月時点ではまだできません。URLを投稿するとアイキャッチの表示はできますので、活用しつつ画像投稿機能を待ちましょう。動画に関してはYoutubeのURLを投稿するとDamus上で観ることができます。
一度投稿すると修正や削除はできませんのでご注意ください。
DMs(ダイレクトメッセージ)の基本情報
DM(ダイレクトメッセージ)を送りたい相手のプロフィールにあるメールマークを押すと、メッセージのやりとりが可能です。DMsのRequestsにDM相手が表示されます。
Global(グローバル)の基本情報
Globalでは自分がフォローしていないユーザーのポストを見ることができます。気になるユーザーを発見しましたらフォローやリプライをしてみましょう。
Notifications(通知)の基本情報
Notificationsではリプライやリポスト(RT)されたときに表示されます。
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Damusでの投げ銭方法
Damusではライトニングネットワークを使い、ポストに対しビットコインの投げ銭機能を実装予定です。2023年2月時点では未実装ですが、今回はその前準備やビットコインの送付方法について解説します。
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Lightning Networkとは?
ライトニングネットワークとは、ビットコインが普及するにつれてトランザクションが遅くなったり、手数料が高騰したりするスケーラビリティ問題を解決するために考えられた、ブロックチェーンの外部に構築される、オフチェーン(レイヤー2)の決済ネットワークのことです。オフチェーンのライトニングネットワーク上でデータがまとめられ、効率化されたトランザクションだけが送られるため、少額決済も可能にします。
ビットコインウォレットの準備
ビットコインの投げ銭をするためには、Damusとリンクするビットコイン用のウォレットアプリが必要となります。SettingのWallet Selectorを確認してみると対応するウォレットの一覧が表示されます。
このうちMuun、Blue Wallet、Wallet of Satoshiなどが日本でもダウンロード可能ですので、使ってみて自分に合うウォレットを設定しましょう。今回はMuunを使用いたします。
DamusでのLightning Network設定方法
ウォレットが決まりましたらDamus側でLightning Networkのアドレス設定をする必要があります。ProfileのEditにBITCOIN LIGHTNING TIPSという項目があるので、先ほどのビットコインウォレットのライトニングアドレスを入力します。プロフィールに戻ると雷のライトニングマークがついています。
ビットコインの送付方法
今回はGMOコインからBTCを送ります。GMOコインは暗号資産出金手数料が無料なのでおすすめです。HOMEの預入/送付からビットコインを選択し、まず宛先リストにビットコインアドレスを登録してください。この際に5分ほど審査にかかることがあります。
GMOコイン:
GMOコインの特徴は各種手数料が非常に安いもしくは無料な点です。取扱い通貨も国内では多いので、海外仮想通貨取引所への送金で手数料をとにかく安くしたい方にはおすすめの取引所となります。
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審査が終わりましたら送付メニューから、先ほど設定したウォレットを選択してBTCを送付してください。GMOコインの場合、最低送付数量は0.02BTCからとなっていますが、全数量送付の場合はその基準以下でも送付可能(546satoshi以上)です。
ビットコインは海外の取引所でも取り扱っています。
ブリッジを使ってBTCを送る方法
取引所を経由せずに自分のウォレットから、BTCに対応しているブリッジを使用してBTCを送付することも可能です。ここではブリッジアグリゲーター のRangoExchangeを利用して、MetaMaskのPolygonチェーンからブリッジしてBTCを送付する方法を解説します。
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まずRangoExchangeにアクセスしウォレットを接続します。次に「From」で送金元を選択、「To」の部分でビットコインを選択すると送金後の金額が表示され、下部にルートが選択されますのでOKでしたらSWAPボタンを押してください。
BTCのウォレットアドレスを入力する画面が表示されますので入力し「Confirm swap!」ボタンを押すとブリッジがスタートします。ガス代を払うために都度ウォレットが開きますので承認してください。
投げ銭のやり方
ポストに対するビットコイン投げ銭機能はまだ開発中で実装はされていません(2023年2月現在)。そこで今回はMuunウォレットでLightning invoiceを使用して、Damusに投げ銭を求める投稿をするやり方を解説いたします。
ビットコイン投げ銭の手順(Muunウォレット)
- Muunウォレットを開き、Recieveを選びます。
- QRコードの下部に「Invoice Setting」メニューがあるので押します。
- 欲しい投げ銭の額を入力します。
- 入力し終わったらQRコードの画面でコピーを押します。
- Damusに戻り投稿で先ほどのコピーを貼り付けポストします。
- 希望の投げ銭額がポストに投稿されています。
次に投稿されているLightning invoiceに対して投げ銭する方法を解説します。
Lightning invoiceへの投げ銭の方法
- Lightning invoiceのPayボタンを押す
- 支払いをするウォレットを選択する
- 最終確認をしてSENDを押す
以上が現状できる投げ銭のやり方です。ポストに対する投げ銭機能も近日中に実装されると思いますので楽しみに待ちましょう。
Damusに関するよくある質問(Q&A)
Damusに関する疑問点や、よくある質問に関してまとめました。
Damusの独自トークンは発行されますか?
Damus公式がDamusにポストした内容によると「Damusは独自トークンを持っておらず、これからもつくることはありません。Damusトークンを購入した場合、あなたは詐欺にあっています。DamusはこれからもBitcoinのみです」とのことですので、今後トークンは発行されない予定です。ただし今後運営が方針転換をする可能性が無いとは言い切れませんのであまり期待せずに使用しましょう。
Damusは安全ですか?
Damus自体はまだスタートしたばかりですのでバグなどが見つかる可能性はあります。
またDamusのアカウント自体は公開鍵で判別されており、ユーザー名・表示名は他の人と同じ名前をつけることができるため、なりすましやフィッシング詐欺に特に気をつけましょう。画像はGlobalで見かけたDamusなりすましアカウントです。
分散型 SNSのため全てが自己責任となりますので、送金ミスや秘密鍵流出などによるアカウントの乗っ取りなども気をつけましょう。
まとめ
今回は分散型SNS「Damus」についてまとめました。
簡単にまとめると…
- Twitter社の前CEOジャック・ドーシー氏が投資しており話題になっている
- UIはTwitterに似ていて使いやすくTwitterキラーと呼ばれている
- 分散型SNSのため運営に縛られない投稿ができる
- Nostrのリレー方式というブロックチェーンとは違う仕組みを採用している
- ライトニングネットワークで少額からビットコインの投げ銭が搭載予定
- まだ開発中の部分も多いので使用の際は注意が必要
まだリリースしたばかりなので、これから改良されていく部分は多いですが、自分の投稿した内容を自分で管理できたり、ビットコインで投げ銭がもらえるかもしれないのは特徴的でおもしろいですね。
参考文献
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