Circle、新サービス「Paymaster」を発表|USDCでガス料金支払い可能に

JinaCoin編集部
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

複雑なガス料金管理を解消する新ソリューション

ステーブルコイン「USDC」の開発元である「Circle(サークル)」は23日、ブロックチェーン取引におけるガス料金支払いの課題を解決するための新しいサービス「Paymaster(ペイマスター)」を発表した。このサービスにより、ユーザーはネットワークのネイティブトークン(例:ETH)を保有することなく、USDCでガス料金を支払うことが可能になる。

従来のブロックチェーン取引では、ネットワークのネイティブトークンでガス料金を支払う必要があり、この要件がユーザー体験における大きな障壁となっていた。ネイティブトークンを保有していない場合、取引が失敗するリスクがあるほか、複数のチェーンでの暗号資産(仮想通貨)管理も煩雑だった。さらに、機関投資家にとっては、ネイティブトークンの保有が規制や会計上の課題を引き起こす可能性があった。

今回発表されたペイマスターは、このような課題を解決する画期的なソリューションだ。ユーザーはUSDCを使用してガス料金を直接支払うことができ、取引の摩擦が大幅に軽減される。

ペイマスターの仕組みは以下のとおり。

  1. ユーザーが取引を開始する。
  2. ペイマスターがUSDCを受け取り、ガス料金として必要なネイティブトークンをブロックチェーンに支払う。
  3. 取引が完了し、受信者はシームレスにUSDCを受け取る。
ペイマスターを使えば、ガス料金をUSDCで支払えるように(出典:Circle公式ブログ)

このプロセスにより、ユーザーはネイティブトークンの調達や管理を気にすることなく、スムーズに取引を行える。

ペイマスターは開発者にとっても魅力的な選択肢だ。ウォレットプロバイダーと連携し、迅速かつ簡単に統合が可能で、開発者は複雑なガス料金管理に煩わされることなく、ユーザー体験の向上に注力できる。

今後の展開と料金モデル

ペイマスターは現在、「Arbitrum(アービトラム)」および「Base(ベース)」上で利用可能で、今後さらに多くのチェーンへの対応が予定されている。また、3月に予定されているイーサリアムの大型アップグレード「Pectra(ペクトラ)」がライブになると、従来の外部所有アカウント(EOA)での利用も可能になる見込みだ。

さらに、CCTP(Circle’s Cross-Chain Transfer Protocol)との統合によって、将来的にはクロスチェーンでのガス料金支払いも可能になる予定だ。この機能を利用すれば、ユーザーは単一のブロックチェーン上でUSDCを保有しているだけで、複数のブロックチェーンのガス料金を支払うことができるようになる。これにより、複数のネイティブトークンを管理する必要がなくなり、ユーザー体験がさらに向上するだろう。

ペイマスターは通常、各トランザクションのガス料金に対して10%を手数料として請求する。ただし、2025年6月30日までこの手数料は免除されるため、開発者とユーザーは長期間にわたり追加費用なしでペイマスターのメリットを試すことができる。

ペイマスターは、USDCでガス料金支払いを可能にし、これまで複雑だったブロックチェーン取引をシンプルに変える画期的なソリューションだ。これにより、より多くの人々が簡単にブロックチェーン技術を利用できるようになるだろう。

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