医療企業による過去最大級のBTC取得計画、今四半期内に正式合意見込み
米ナスダック上場の医療サービス提供会社「Basel Medical Group Ltd(BMGL)」は15日、10億ドル(約1,459億円)相当のビットコイン取得に向けた独占交渉を開始したことを発表した。これは、同社が展開する医療サービスの拡大を支えつつ、企業財務の多角化とバランスシート強化を目的とした戦略的な取り組みである。
BMGLは、機関投資家および暗号資産(仮想通貨)分野で影響力のある富裕層の個人投資家からなるコンソーシアムと、株式交換によるビットコイン取得を目指して交渉を進めている。この取引が成立すれば、アジア太平洋地域の医療業界において、企業バランスシートの強化としては過去最大級の案件となる見通しだ。
同社は、この10億ドルの資本注入により、以下の4つの主要目的を達成するとしている。
- アジアを中心とする医療提供企業の中で最高クラスのバランスシートを構築
- M&A(合併・買収)における圧倒的な資金の柔軟性を確保
- 市場の変動に耐えうる多様な資産構成を確立
- 新興アジア市場での展開における資本面での競争優位性を確保
BMGLの最高経営責任者(CEO)であるダレン・チョア医師は、「この10億ドル規模の財務変革により、当社はこれまでにない規模でアジアでの成長戦略を実行できるようになる。保守的な財務運営を維持しつつも、戦略的な機会に迅速に対応する能力が飛躍的に高まる」とコメントした。
なお、この取引の最終合意は今四半期中を目標としており、通常の契約締結条件および規制当局の承認を前提としている。
一般的に、企業による大規模なビットコイン取得は、市場の流動性や価格形成に影響を与える可能性があると指摘されている。特にBMGLのような10億ドル規模の取引は、市場に出回るビットコイン供給量を減らし、価格の変動性を高める要因となり得る。企業が長期保有を選ぶことで市場に出回るビットコインが減少し、価格が外部要因に左右されやすくなるため、個人投資家にとっては需給動向と市場の構造変化を見極める姿勢が重要だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.94円)