「ビットコインの4年サイクルは歴史のゴミ箱へ」=ビットワイズCIO、2026年史上最高値更新を予測

ヤマダケイスケ
8 Min Read
Highlights
  • Bitwise CIO、ビットコインが2026年に4年サイクルを打破して史上最高値を更新すると予測
  • 半減期の影響力低下により、新規供給減少が価格形成に与える効果は過去より限定的だと分析
  • 主要ハイテク株「エヌビディア」を下回るボラティリティ、投資対象としての安定性を強調

暗号資産(仮想通貨)運用企業「Bitwise(ビットワイズ)」の最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏は15日、2026年の暗号資産市場を予測する投資家向けメモを公開した。その中で同氏は、2026年のビットコイン市場が従来の「4年サイクル」を崩し、史上最高値を更新する可能性が高いとの見方を示している。

供給衝撃の低下と金融環境の好転が強気相場の背景に

これまで暗号資産市場では、供給量が半分になる半減期を起点に、約3年間の上昇局面と1年間の調整局面が繰り返されるという4年サイクルが定説とされてきた。この考え方に従えば、2026年は価格が低迷する時期にあたる。しかしホーガン氏は、「市場構造の変化」によってこの前提がすでに成り立たなくなっていると分析している。

その理由として同氏は、半減期の影響力が年々弱まっている点を挙げている。新規発行量の減少幅は回を追うごとに小さくなり、需給に与える衝撃も過去ほど大きくないという。加えて、過去の下落局面で重しとなってきた米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げについても、2026年には金利が低下局面に入る可能性があるとし、金融環境はむしろ価格を支える要因になると指摘している。

さらに、2025年10月に起きた大規模な強制清算を経て過度なレバレッジが整理され、市場全体の健全性が高まった点や、法整備の進展によって大規模な破綻リスクが下がっていることも強気の根拠となっている。

特筆すべき点は、機関投資家の本格参入だ。2024年に承認された現物ETF(上場投資信託)を通じ、米大手金融機関が顧客資産の配分を拡大し、2026年に向けて大規模な資金流入が進むとホーガン氏は予測。こうした動きによりビットコインのボラティリティが抑えられ、2025年は主要なハイテク株「エヌビディア」を下回る水準で推移している

ホーガン氏は規制環境の改善を背景に、暗号資産が株式市場との連動性を弱め、収益性と安定性を兼ね備えた資産として定着していくと結論づけた。4年サイクルという常識を超え、2026年のビットコインは新たな強気相場に入る可能性がある。市場の成熟が進む中で、その動向はこれまで以上に幅広い投資家の関心を集めそうだ。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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