ビットコイン、2035年までに2.2億円に到達か=CFベンチマークスレポート

伊藤 将史
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Highlights
  • CFベンチマークスがビットコインの長期分析を公開し、価値保存市場での拡大を前提に2035年の価格目標を142万ドル(約2.2億円)と試算
  • ベース・ベア・ブルの3シナリオを提示し、市場シェア16〜125%に応じて63.7万〜295万ドルの価格レンジを提示
  • 流動性の深まりやデリバティブ市場の発達によるボラティリティ低下を見込み、マルチアセットへの2〜5%の組み入れ効果を示唆

英暗号資産(仮想通貨)インデックスプロバイダーのCFベンチマークスは18日、ビットコインの価格が2035年までに142万ドル(約2.2億円)に達する可能性があるとするレポートを発表した。

「価値の保存」市場のシェア拡大が鍵、ボラティリティは低下へ

CFベンチマークスが公開したレポート「Building Bitcoin Capital Market Assumptions」によると、同社はビットコインが「価値の保存」市場において、金(ゴールド)などの代替資産としての地位を確立していくと予測している。

ベースケース(基本シナリオ)では、ビットコインが金の時価総額の約3分の1(約33%)を占めるまで普及すると仮定し、2035年の価格目標を142万ドルと試算した。これは年率換算で30.1%のリターンに相当する。

また、より保守的なベアケース(弱気シナリオ)では、ビットコインが市場シェアの約16%(過去のトレンド維持)にとどまるとして63.7万ドル(約9,919万円)、最も強気な「ブルケース」では、ビットコインが支配的な価値保存手段となり、金の時価総額の約125%に達するとして295万ドル(約4.5億円)という予測を示している。

この予測は、以下の3つのモデルを組み合わせたフレームワークに基づいているとされる。

  • 比較時価総額評価:金などの競合資産との市場シェア比較。
  • 生産コスト評価:ハッシュレートや電力コストなどマイニング経済に基づく評価。
  • タクティカルモデル:世界のマネーサプライ(M2)の流動性指標を使った回帰ベースのフェアバリュー分析。

また、レポートではビットコインのリスクプロファイルについても言及している。市場の流動性が高まり、機関投資家の参加が拡大し、デリバティブ市場が成熟することで、市場構造そのものが変化すると指摘。これに伴い、ビットコインのボラティリティ(価格変動率)は、今後10年間で28%程度に向けて構造的に低下していくと予測した。

さらに、高い期待リターンと低下するボラティリティ、そして株式や債券との低い相関性を理由に、マルチアセット・ポートフォリオにおいてビットコインを2〜5%組み入れることで、長期的なリスク調整後リターンが改善すると結論付けている。

レポートが描く『価値の保存手段』としての地位確立が、現実のものとなるか。ビットコインの次なる10年に期待が膨らむ。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.72円)

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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