「ゼロ知識証明版DeepSeek」 と称するzkVM
ゼロ知識(ZK)証明技術に特化したスタートアップ企業「Ligero(リゲロ)」は27日、シードラウンドで400万ドルの資金調達を完了したと発表した。このラウンドは「Galaxy Ventures(ギャラクシー・ベンチャーズ)」と「1kx(ワンケーエックス)」が共同で主導。「Franklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)」や「Nascent(ナッセント)」、「Anagram(アナグラム)」などが投資家として参加した。
今回のラウンドはトークンワラント付きの単純契約(SAFE)で構成されており、リゲロは2,000万ドルの評価額上限で資金調達を実施している。ただし、リゲロのCOOマット・ディビアス氏は、現時点で独自トークンを発行する計画はないと述べている。
また、ディビアス氏が暗号資産(仮想通貨)ニュースサイト「The Block(ザ・ブロック)」に語ったところによると、リゲロは2024年3月に資金調達を開始し、同年7月にはそのプロセスを完了していたという。資金調達完了の発表がこのタイミングになったのは、主力製品である「Ligetron(リゲトロン)」のローンチに合わせたものだと同氏は説明した。
ZK技術の未来を拓く「Ligetron」とは?
リゲロが新たに発表したリゲトロンは、一般的なブラウザ上での稼働を可能にしたゼロ知識仮想マシン(zkVM)だ。ユーザーはこの製品を活用することで、プライバシーが一貫して保護されたゼロ知識証明アプリケーションを手軽に作成できる。また、開発したアプリケーションは追加のハードウェア・ソフトウェアを必要とせず、あらゆるデバイスへの展開を可能にしている。
リゲロのベンチマークテストによると、リゲトロンの大規模言語モデル(LLM)の推論速度は競合製品の66倍、メモリ効率は1,024倍に達するとされている。ディビアス氏はリゲトロンを「ゼロ知識証明におけるDeepSeek(高性能LLM)」と称しており、ZK分野における画期的かつ革新的な製品であることを強調した。
リゲロは今後の成長戦略として、エンジニアリングと事業開発の分野で3〜4つの新たな役割を追加し、チームを拡大する計画を立てている。ZK技術の進化が求められる中、同社の動向は今後も注目を集めることになりそうだ。
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