米司法省は29日、ダークネットの暗号資産ミキサー「Helix(ヘリックス)」関連資産4億ドル超(約620億円)の没収が完了したことを発表した。コロンビア特別区連邦地裁のベリル・A・ハウエル判事は、1月21日に最終没収命令を発令し、暗号資産・不動産・金銭資産を含む約620億円が米政府に没収された。
ダークネット上の薬物取引の資金洗浄に悪用、35万BTCを処理
ヘリックスは2014年から2017年にかけて運営された暗号資産ミキシングサービスである。司法省によると、ヘリックスは運営期間中に約35万4,468BTC(当時の価値で約3億ドル相当)を処理しており、ダークネット上で違法薬物を売買する業者が収益の資金洗浄(マネーロンダリング)の手段としてヘリックスを利用していた。運営者のラリー・ディーン・ハーモンは2021年8月、マネーロンダリング共謀罪で有罪答弁を行い、2024年11月には禁固36ヶ月、保護観察3年の判決に加え、資産の没収も命じられている。
ハーモンはヘリックスのほか、ダークネット検索エンジン「Grams(グラムズ)」も運営していた。グラムズはヘリックスと連携し、当時存在した主要なダークネット市場すべてに接続できる設計だった。ヘリックスはAPIを提供しており、ダークネット市場はビットコインの引き出しシステムにヘリックスを直接組み込むことができた。捜査当局はダークネット市場からヘリックスへ数千万ドル規模の資金が流れていたことを確認している。ハーモンはこれらの取引から手数料を徴収し、収益としていた。
本件の捜査はIRS犯罪捜査部サイバー犯罪ユニットとFBIワシントン支局が担当し、ベリーズ司法長官省および警察も捜査を支援している。
今回の没収の完了は、ミキシングサービスを介した資金洗浄であっても、長期的な捜査により資産の特定と回収が可能であることを示した。暗号資産を悪用したマネーロンダリングに対する米当局の追跡力を改めて裏付ける結果となった。
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