テザー、メディア企業「Be Water」に戦略的投資|仮想通貨大手がコンテンツ産業へ進出

JinaCoin編集部
11 Min Read
Tether公式サイトより引用

1.9兆円超の利益を背景に事業多角化を加速

ステーブルコイン最大手の「Tether(テザー)」は27日、イタリアのメディア企業「Be Water(ビー・ウォーター)」への戦略的投資を発表した。テザーは今月末までに、1,000万ユーロ(約16億円)の増資および株式取得を通じて、ビー・ウォーターの株式の30.4%を取得する予定だ。

テザーは今回の投資を通じ、コンテンツ制作と配信における技術革新を支援し、メディア産業におけるプレゼンスを強化する。ビー・ウォーターは、音声、映像、映画、ライブコンテンツなどの制作・配信に特化した企業で、テクノロジーを基盤としたストーリーテリングとコンテンツ制作を軸に、メディア消費の新しい形を模索している。

この投資は、テザーの堅固な財務基盤に加え、同社がフィンテック分野を超えた革新的領域にも関与していることを示している。テザーは2024年に130億ドル(約1.9兆円)を超える利益を計上し、1,130億ドル(約17兆円)を超える米国債を保有するなど、業界屈指の資金力を誇っている。

近年は動画プラットフォーム「Rumble(ランブル)」への7億7,500万ドル(約1,169億円)の投資、サッカークラブ「ユヴェントス」の少数株取得、脳コンピューター・インターフェースを手がける「Blackrock Neurotech(ブラックロック・ニューロテック)」への2億ドル(約300億円)の投資など、多角的な事業展開を進めている。

今回のビー・ウォーターへの戦略的投資により、テザーはブロックチェーンや先進的デジタルツールを活用し、高品質かつ独立性の高いコンテンツの国際的な配信を支援する。また、調査報道部門の強化、新たなグローバル人材との連携、映画・テレビ・ドキュメンタリー制作における国際展開など、多方面にわたる成長戦略が計画されている。

テザーのCEOであるパオロ・アルドイーノ氏は、「ストーリーテリングの力と、独立系メディアが持つ社会的な影響力を認識している。我々の投資は、業界横断的な技術革新支援というビジョンと合致している」と述べ、協業に強い期待を示した。

一方、ビー・ウォーターのグイド・マリア・ブレラ会長は、「創業以来、独立した多様な声を持ち、ポッドキャストから映画、テレビ、ライブイベントまで、マルチプラットフォームに対応した現代的なメディア企業を目指してきた。テザーの技術力を背景に、イタリア国内外での成長加速が可能になる」とコメントしている。

今回の投資は、仮想通貨業界がメディア産業に深く関与する動きの一環として注目すべきである。資金力を持つテザーが、コンテンツの独立性や表現の自由を支援する姿勢を見せたことは、社会的にも意義が大きい。今後、このようなクロスインダストリーの連携が、メディアの多様性と革新性をさらに推進する契機となるだろう。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.98円、1ユーロ=162.86円)

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SOURCES:Tether
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