「仮想通貨市場におけるSPXやS&P 500を目指す」
米トークン化プラットフォーム「Securitize(セキュリタイズ)」は4月24日、イーサリアムのレイヤー2ソリューション「Mantle(マントル)」と提携し、機関投資家向けの新ファンド「Mantle Index Four(MI4)」を正式に発表した。
このファンドは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)といった主要仮想通貨を中心とする分散型の資産ポートフォリオを提供し、米ドル建てステーブルコインや合成ドルも組み入れることで安定性とリスク管理を両立する設計となっている。
MI4の特徴:
- 四半期ごとのリバランスによりポートフォリオを最適化
- mETH(マントル版stETH)やbbSOL(バイビット提供)、USDe(エテナ発行)などを組み入れ、DeFi戦略による利回り追求を実現
- 投資家は直接資産を保有する必要がなく、規制対応済の枠組みで運用可能
また、マントルのトレジャリーは、ファンドに対して初期資金として4億ドル(約569億円)を出資しており、ファンドの信頼性と持続性を裏付ける形となっている。
マントルのグローバル戦略責任者であるティモシー・チェン氏は、「MI4とその将来的な関連商品は、仮想通貨市場におけるSPXやS&P 500のような存在を目指しており、利回りを重視しながらも戦略的に資産を分散させたいオンチェーン資本の需要を取り込む設計となっている。これは、仮想通貨を直接保有・管理する煩雑さを避けたい機関投資家にとって、運用の手間を最小限に抑えられるソリューションとなる」と述べており、今後も類似商品が続々と開発される可能性を示唆している。
事実確認メモ:
- MI4は機関投資家向けに設計されており、一般向けではない
- ポートフォリオには複数のDeFi資産が含まれるが、カストディリスクを回避する設計
- Mantleによる初期出資は公式に確認されており、規模は4億ドル
- ファンドの目的は、DeFi利回りと規制順守を両立する新たな投資手段の提供
MI4は、DeFiと伝統的資産運用の架け橋となる存在だ。複雑な管理を必要とせずに分散型金融の収益性を享受できる仕組みは、これまでDeFiに距離を置いてきた機関投資家にとって大きな魅力となる。今後は、このようなハイブリッド型の運用手法が資産運用の新たな常識になる可能性もある。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.37円)