Web3コミュニティを名乗るNoBorder DAO(ノーボーダーDAO)が2月25日に発行した、高市早苗首相の名を冠した暗号資産「SANAE TOKEN(サナエトークン/SANAET)」がSNS上で話題になっている。さまざまな疑惑が渦巻くSANAETについて、3月3日までの動向を時系列でまとめた。
2月25日:「SANAE TOKEN」の発表と発行
BreakingDown(ブレイキングダウン)のCOOを務める連続起業家・溝口勇児氏が率いるNoBorder DAOは、2月25日にソラナブロックチェーン上で暗号資産「SANAET」を発行した。同DAOの母体は、政治をテーマにした溝口氏のYouTube討論番組「NoBorder(ノーボーダー)」である。
本トークンは、同DAOが推進する、最先端テクノロジーで国民の声を政治に届けるプロジェクト「Japan is Back」のインセンティブとして位置づけられた。
さらに同日、「【公認】チームサナエが日本を変える」というXアカウントが、本プロジェクトに賛同する主旨のポストを投稿している。
このXアカウントは過去に高市首相からも引用されており、いわゆる「偽アカウント・詐欺アカウント」ではないことが確認されている。
また、溝口氏が後日投稿された動画内で「高市さんサイドとコミュニケーションを取って実現」と発言したほか、サナエトークンのサイトでは高市首相をモチーフとしたビジュアルが使用されていることなどから、本プロジェクトが高市首相による公認を得ているかのように多くの投資家に認識されたようだ。
ただし、同サイトの免責事項には「高市氏と提携または承認されているものではない」との記述がある(3月3日時点)。
発行後、SNS上では高市首相の応援コインとしての拡散が続き、価格は一時的に初値から約30倍に急騰した。
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2月26日〜3月1日:価格の急騰と「公認」を巡る混迷
この時期に運営関係者によるトークンの売却疑惑が浮上したが、NoBorder DAO側は「ハッキング対策のためのウォレット分散であり、売却の事実はない」とこれを公式に否定している。
また、この時期には高市首相との関連について肯定・否定する多くの意見がSNS上に投稿され続けた。
同月28日、NoBorder DAOは公式声明で「公認後援会との協業はすでに決定しており、肖像の使用も後援会の確認を得ている」とも明記していた。
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3月2日21時頃:高市首相による全面否定声明
2日21時06分頃、高市早苗内閣総理大臣は自身の公式Xアカウントにて声明を発表した。
高市首相は「私は全く存じ上げませんし、私の事務所側も、当該トークンがどのようなものなのかについて知らされておりません。本件について我々が何らかの承認を与えさせて頂いたこともございません」と、プロジェクトとの関わりを全面的に否定している。
首相の発言はNoBorder DAOの2月28日声明と真っ向から対立する内容であり、両者の説明に大きな齟齬が生じた。
3月3日(本日):トークン設計・発行の責任者が登場
首相の否定声明を受けSNS上で混乱が広がる中、関係者のXが「Ken Matsui」を名乗るアカウントの投稿を一斉にリポスト。同ポストによると、「(SANAETの)設計および発行に至るまでの一切の業務について、株式会社neuが主体となって行い、その責任を負ってまいりました」とのことだ。
なお、株式会社neuについて検索すると「Webの未来を社会の実現へ」という言葉を掲げ、「Ken Matsui」氏がファウンダー&CEOであると記載されているホームページが存在するものの、詳細は不明である。
首相による全面否定後の価格動向
高市首相によるポスト直後、SANAT価格は瞬間的に高騰したものの、半分以下に暴落。その後、2日23時頃から3日10時頃まで緩やかに回復していたものの、執筆時点(3日12時)では再び価格を下げている。

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