市場は好評価、RAYは一時30.6%高騰
Solana(ソラナ)ブロックチェーン上のDEX(分散型取引所)「Raydium(レイディウム)」が、独自のトークン発行プラットフォーム「LaunchLab(ローンチラボ)」を開発中であることが明らかになった。18日、暗号資産(仮想通貨)メディア「Blockworks(ブロックワークス)」が報じた。
レイディウムがローンチラボを開発した背景には、ミームコイン発行プラットフォーム「Pump.fun(パンプファン)」の存在がある。
専門的な知識や技術がなくても簡単にミームコインを作成できるPump.funは、多くのミームコインを生み出し、中には時価総額が1億ドルを超えるものもある。2024年後半以降、ソラナエコシステムを大いに盛り上げてきた。
レイディウムも、Pump.funの盛り上がりから恩恵を受けている。Pump.funで発行されたトークンは、まずプラットフォーム内でのみ取引されるが、時価総額が69,000ドルに達すると”卒業”してレイディウムに上場されるからだ。
そして、過去30日間のレイディウムのスワップ手数料収益のうち、Pump.fun由来のミームコインが41%を占めていた。「Pump.funを卒業するとレイディウムに上場される」というルートは、レイディウムにとっても重要なビジネスになっているのだ。
ところが、2月24日、Pump.funが独自のAMM(自動マーケットメイカー)を開発中であることが報じられた。Pump.funが自らAMMを立ち上げ、”卒業先”を用意することは、レイディウムとの”非公式な提携”の打ち切りを意味する。この情報を受け、レイディウムの独自トークンRAYの価格は1日で25%下落した。
こうした経緯を経て、Pump.funとの関係解消に備えてレイディウムが自ら立ち上げるトークン発行プラットフォームが、今回発表されたローンチラボである。
レイディウムのコアコントリビューターであるInfra氏は19日、自身のXで、ローンチラボの目標について「Pump.funのユーザーを奪うことではなく、ソラナを豊かにすることだ」とコメント。ローンチラボは、斬新なボンディングカーブ(需給に基づいてトークン価格を計算する数学モデル)と柔軟な手数料システム、SOL以外の複数のトークンを用いた取引への対応などを予定しており、Infra氏は「ローンチラボは、親しみやすさのためにPump.funを模倣しているが、フォークではなく、はるかに多用途」であると述べている。
なお、ローンチラボの発表を受けて、RAYは数時間で約1.60ドルから最大2.09ドルに急騰し、その後1.89ドル付近で推移している。

レイディウムは、ローンチラボを通じてソラナエコシステムの発展を目指し、Pump.funとは異なるアプローチでトークン発行を支援する方針を示している。この動きが市場にどんな波紋を広げるのか、今後の展開に注目したい。
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