イールド(利回り)のトークン化を掲げるレイヤー1「Pryzm(プリズム)」は16日、2026年1月初旬にメインネットを閉鎖する方針を発表した。運営チームは、現行の経済モデルの維持が困難になったことを理由に挙げており、段階的にネットワークを終了させるとしている。
収益不足とコスモスエコシステム縮小が決定打に
プリズムチームは閉鎖の理由として、主に3つの要因を挙げている。
1つ目は、ローンチ後のインセンティブが終了して以来、ブロックチェーンを安全に維持・運営するためのコストに対して、オンチェーンでの手数料収益とコミュニティプールからの資金が大幅に下回る状態が続いていた点である。
2つ目は、Cosmos(コスモス)エコシステム全体で流動性やユーザー活動が縮小傾向にあり、収益性の高いトークンの上場が困難になっていた点だ。
3つ目は、プリズムのインフラは運用に複雑な専門知識を要するため、安全な形で第三者へ運営を引き継ぐことが困難であると判断した点である。
これらの決定を受け、運営チームはユーザーが安全に資金を引き出すための具体的な手順を提示している。
Yield Tokens(YTs)またはPrincipal Tokens(PTs)を保有しているユーザーは、速やかにこれらをCollateral Tokens(CTs)に交換し、その後、資産への「スロー償還」プロセスを開始することが推奨されている。
本プロセスには48~72時間の猶予が設けられるが、期間終了後にはAMM(自動マーケットメーカー)が一時停止され、交換レートが固定されるため早期に対応する必要がある。
また、Pryzmトークンの保有者に対する救済措置として、保有するトークンをバーン(焼却)することで、チームが次にローンチを予定しているイーサリアム上のDeFiプロジェクトにおける資産配分を受けられる仕組みが提供される予定。この措置に関する詳細は、後日改めて発表される。
メインネット閉鎖の発表から、Pryzmトークンの市場価格が約78%下落しており、一時0.0001746ドルの史上最安値を更新している。

プリズムはこれまでのコミュニティへの感謝を述べるとともに、今後も影響を最小限に抑えながら計画に沿ってメインネットを閉鎖していく方針だ。
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