米経済指標ラッシュが市場のカギに──BTC・ETHの変動リスクをどう見る?
オンチェーン化した現実資産(RWA)が取引できるデリバティブ分散型取引所「Ostium(オスティウム)」は28日、最新の市場分析レポートを公開した。本レポートでは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、銅(Copper)、米ドル指数(DXY)、米国株式指数(SPX)に関する今週の市場見通しが詳述されている。特に、ビットコインとイーサリアムについては、直近の値動き、ポジショニング、イベントリスクに焦点を当てた分析がなされた。
まずビットコインについて、レポート時点での価格は94,709ドルだった。先週は週初から週末にかけて大幅に上昇し、90,000ドルのサポートと93,500ドルの年間始値を超えた水準で週を終えた。この動きは、2023年10月および2024年9月に見られた、大幅な上昇局面の勢いと似ている。中期的には新高値への展開が期待されるが、レポートでは、5月中旬までの間に調整局面を挟む可能性も指摘されている。
具体的には、99,000ドル手前でレジスタンスに直面し、一時的に90,000ドル、場合によっては83,000〜84,000ドル水準まで下落する「振るい落とし」が発生するシナリオも考えられる。これに対して、今週99,000ドルを週足で上抜けた場合は、調整は浅くなり、価格は新高値を追う展開になると予測している。

日足レベルを見ると、現在92,000〜95,000ドルのレンジで推移しており、95,000ドルを明確に突破すれば、99,000ドルへの急騰が見込まれる。一方、92,000ドルを割り込んだ場合は、89,400ドルのサポートを試す動きが予想される。特に、今週水曜日から金曜日にかけて発表される米国の重要経済指標(JOLTS求人件数、ADP雇用統計、コアPCE、GDP速報値、ISM製造業指数、非農業部門雇用者数)が価格変動の引き金となる可能性が高い。

イーサリアムに目を向けると、価格は1,807ドルとなっている。週足では、1,535ドルのサポートから反発し、1,750ドルを回復して引けた。この水準を維持できれば、2,077ドル付近までの上昇が見込まれるが、反対に再び1,750ドルを割り込めば、1,535ドルのサポートを再度試す展開となる可能性も示唆された。特に注目すべきは、2,158〜2,281ドルの抵抗帯を上抜けるかどうかであり、これを超えれば大規模な上昇トレンドへの転換が期待できるという。

日足レベルでは、週央から週後半にかけて1,730ドル付近への押し目買いを狙う戦略が提案されている。ただし、1,747ドルを割った後にこの水準をレジスタンスとして機能させるような動きが見られれば、早期の損切りが推奨されている。長期的には、5月中旬にかけて1,535ドルのサポートを再度試した後、堅調な上昇を目指すシナリオが描かれている。

市場は強いモメンタムを示しているが、過去の事例から見て、過熱感が生じる場面では一時的な調整が不可欠だ。特に、今週の米国経済指標ラッシュは短期的な変動リスクを高める要因となり得る。堅実なリスク管理を徹底し、冷静なポジショニングを心がけたい。
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