国内IEO市場の資金調達額で過去最高を更新
高級別荘のシェアリング事業を展開する「NOT A HOTEL」が立ち上げたWeb3コミュニティ「NOT A HOTEL DAO」は7日、2024年10月31日から12月7日までGMOコインで先行販売されていた「NAC(NOT A HOTEL COIN:ノットアホテルコイン)」によるIEO(資金調達)を通じ、目標額の20億円を上回る20.7億円の調達を完了したと発表した。
この金額は、国内IEO市場における過去最高額だ。これまでの最高額はブロックチェーンゲーム「ブリリアンクリプト(Brilliant Crypto)」が今年5月に調達した15億1,200万円だった。
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NACの正式な取り扱いは13日から開始される。
13日から開始される主なサービス
- GMOコインでNACの取り扱い開始
- DAOサービスの提供開始
- レンディング・宿泊予約の受付開始
NOT A HOTELはこれまでも、NFT会員券を活用したメンバーシップ制度を構築してきたが、宿泊券がランダムに付与される仕組みや価格帯の設定がユーザビリティの向上を妨げており、十分な成果を上げられていなかったようである。
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今回、新たに導入されたNOT A HOTEL DAOでは、NACをDAOに預けることでNOT A HOTELの宿泊権を得ることができ、さらに1年後には預けたNACがそのまま返還される仕組みとなっている。これにより、毎年NOT A HOTELに実質無料で宿泊することが可能になる。また、宿泊日はユーザー自身の意思で自由に決めることができるため、利便性が確実に向上すると期待されている。
NOT A HOTELの仕組み
- NACを購入することでDAOに参加可能
- DAOで集めた資金でNOT A HOTELの所有権や新たな開発用地を購入
- ユーザーはNACをレンディングすることで、NOT A HOTELの宿泊権を獲得
例えば、現在のNAC価格が1NAC = 1,000円の場合、最安の「BASE S」の宿泊券を獲得するには、スタンダードシーズンで500,000円分のNACをレンディングすることが条件。ただし、NACの価格は需給のバランスにより変動するため、レンディングする際は注意が必要だ。
宿泊権の提供枠はNOT A HOTEL DAOが所有する物件や泊数の在庫状況に応じて制限されており、予約は最大で6ヶ月前(空室枠の場合は最大3ヶ月前)から可能だ。また、ハイシーズンとスタンダードシーズンでは必要なNAC数量が異なるため、利用時にはシーズン情報を確認する必要がある。
NOT A HOTELは、今回のIEOによる資金調達以外に、今年11月までに複数の金融機関からデッドファイナンスを通じて総額105億円の大型資金調達を実施した。この資金は主に新たな拠点の開発コストに充てられるという。
これほど大規模な資金を金融機関から借入できたことから、NOT A HOTELが金融機関や機関投資家から注目される一大プロジェクトであることが伺えるだろう。同社の今後の動向からますます目が離せない。
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情報ソース:NOT A HOTEL DAO サポートノート / NOT A HOTEL DAO公式HP / NOT A HOTEL DAOホワイトペーパー / PR TIMES
アイキャッチ画像:NOT A HOTEL公式サイトより引用