野村HD子会社、ポリゴン基盤の機関投資家向けWeb3インフラを発表

tomochan01
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複数の世界最大級の資産運用会社を巻き込んで、着々と参入を目指す

野村ホールディングスの子会社「Laser Digital(レーザーデジタル)」は10日、Web3企業の「WebN」と共同で、機関投資家向けのWeb3プロトコル「Libre(リブレ)」のローンチを発表した。最初の利用客は決まっており、世界有数の資産運用会社「ブレバン・ハワード」と「ハミルトン・レーン」だ。

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ブレバン・ハワードは、野村のレーザーデジタルが支援する新興企業との提携を通じて、自社のファンドの少なくとも1つをトークン化する計画で、ブロックチェーンに資金を投入する実験を行っている最新の金融大手となる。

レーザーデジタルは、野村ホールディングスの子会社で、機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)運用、トレーディング、ベンチャーなどをのサービスを提供する。WebNは、機関投資家界の大物アラン・ハワード氏とレーザーデジタルが支援する、フィンテックとWeb3のインキュベーション・ハブだ。

プレスリリースによると、リブレはオルタナティブ投資(デリバティブやベンチャー投資など)の法規制に準拠した発行とライフサイクル管理を行う、機関投資家向けのWeb3プロトコルだ。

資産トークン化とスマートコントラクトを活用することで、効率的な投資執行とライフサイクル管理を可能にし、担保融資やSMAの自動リバランスといった付加価値サービスのスケーラブルな提供も可能となる。

SMA(Separately Managed Account:ラップ口座)とは

証券会社が顧客の資金を預かり、顧客が十分納得した投資計画を作成したうえで、証券会社に投資判断や売買を一任する資産運用サービスのこと。通常、顧客は取引ごとではなく、資産残高に応じて手数料と成功報酬を支払う。また、投資金額は最低でも数千万~のものが多い。

リブレは、ポリゴンのCDKをブロックチェーンのバックボーンとして活用し、専用に構築されたZK(Zero Knowledge:ゼロ知識証明)搭載のレイヤー2ブロックチェーン上で動作する。

2024年1四半期に本稼働を開始する予定のリブレは、世界有数のヘッジファンド「ブレバン・ハワード」とプラベートマーケットに特化した資産運用を行う資産運用会社「ハミルトン・レーン」が最初の発行体となる予定だ。

ブレバン・ハワードは、世界有数のオルタナティブ投資運用会社で、マクロ志向や取引ストラクチャリング、リスク管理など独自のエッジに根差した多様な投資戦略で知られる。政府系ファンドや年金基金、公的年金などの機関投資家を顧客に持ち、運用資産総額は350億ドル(約5兆円)にのぼる。

ハミルトン・レーンは、世界最大級のプライベートマーケットに特化した資産運用会社だ。2023年9月末時点の運用・監督資産総額は8540億ドル(約12兆円)にのぼり、世界中の機関投資家や個人投資家にサービスを提供している。

レーザーデジタルのCEO ジェズ・モヒディーン氏は、プレスリリースで次のように述べた。

「 リブレのトークン化されたファンドに対する画期的なアプローチは、投資家の信頼を大きく高め、オルタナティブ投資業界および広範な資本市場においてブロックチェーン技術とトークン化の採用を促進する可能性を秘めていると確信しています。」

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参考文献

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元一般企業会社員。現在はトレーダー兼ライター。 株式やFX、仮想通貨デリバティブ、草コイン、ノード運用と色々やっています。
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