1兆円の資産を回収
破綻した米国の暗号資産取引所FTXの債権者団体は12日、FTXの新経営陣が73億ドル(約1兆円)相当の資産を回収したと発表した。
Bankrupt crypto exchange FTX has recovered $7.3 bln in assets -attorney https://t.co/2LT58qa0wC pic.twitter.com/nCaspX3gse
— Reuters (@Reuters) April 12, 2023
マウントゴックス現象
2022年11月の破綻時点でのFTXの資産は48億ドル(約6,500億円)。これらの数字が正しいとすれば、FTXの資産は破産手続中に1.5倍に増えたことになる。これは、ここ数か月の暗号資産価格の急上昇によるもので、2011年のマウントゴックス事件の際にも同じ現象が起きた。
日本では、数億円の資産をFTXに「飲まれた」個人投資家がワイドショーに登場し、お茶の間の同情を買ったが、今すぐFTX社を清算して、今回回収した1兆円から返却してもらえば、めでたし、めでたし、‥‥とはならない。
今回新経営陣が回収した1兆円は、その多くが暗号資産だからだ。マウントゴックス事件での暗号資産の盗難額が500億円だから、その絶望的な規模の大きさがわかる。
バッドシナリオ
仮に清算手続きに入り、米ドルなどの法定通貨での弁済を望む債権者のために、新経営陣が回収した暗号資産の一部が法定通貨に換金されたとすれば、暗号資産価格の暴落を招くのは必定だ。
筆者の私見では、現在CBDC(中央銀行デジタル通貨)導入の足場をかためるアメリカ当局は、FTXの事業継続を認めないと思う。
グッドシナリオ
仮に2024Q2のFTX再開が認められ、「取り付け騒ぎ」のようなパニックは回避されたとしても、新経営陣の回収した暗号資産の売り圧はしばらく続く。
どちらに転んでも、われら暗号資産フリークは「サムの呪い」に悩まされそうだ。
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