暗号資産(仮想通貨)決済大手のMoonPay(ムーンペイ)は23日、AIエージェントがウォレットを安全に操作するための共通規格「Open Wallet Standard(オープンウォレットスタンダード、以下OWS)」をオープンソースで公開した。ライセンスはMITで、GitHubから利用できる。
自社プロダクトの基盤を業界共通規格に
AIエージェントとは、人間の指示に基づいて暗号資産の売買やブリッジなどを自律的に実行するソフトウェアのことである。ムーンペイは2026年2月、こうしたAIエージェントに暗号資産の取引機能を持たせるツール「ムーンペイ・エージェンツ」をローンチしており、3月13日にはLedger(レジャー)ハードウェアウォレットとの連携も実装していた。
OWSは、このムーンペイ・エージェンツの開発過程で構築されたウォレット基盤を汎用化したものである。ムーンペイによると、現状では各AIエージェントがそれぞれ独自の鍵管理や署名の仕組みを採用しており、あるエージェント用に作ったウォレットが別のエージェントでは使えないという課題がある。OWSはこの断片化を解消し、どのAIエージェントからも同じウォレットにアクセスできる共通規格を目指している。
秘密鍵はAIに一切渡さない設計
OWSの最大の特徴は、秘密鍵をAIエージェントに一切露出させないセキュリティ設計にある。秘密鍵は暗号化された状態で保管され、署名を生成する瞬間だけ隔離された環境で復号し、完了後すぐにメモリから消去される。AIが誤動作しても、秘密鍵に直接触れることはできない仕組みだ。
加えて、すべての取引は署名前にルールチェックを通す設計になっている。支出上限や対象チェーンの制限、許可されたコントラクトのホワイトリストなど、事前に設定したルールに合致しない取引は自動でブロックされる。
対応チェーンはEVM、ソラナ、ビットコイン、コスモス、トロン、TON、ファイルコイン、XRPレジャーなど8系統で、単一のシードフレーズからすべてのアカウントを導出できる。ウォレットはユーザーのローカル環境に保存され、クラウドには依存しない。
開発にはペイパル、OKX、リップル、トロン、TONファウンデーション、ソラナ財団、イーサリアム財団、ベース、ポリゴン、スイ、ファイルコイン財団、レイヤーゼロ、アービトラム、サークルなど15以上の組織が貢献している。CEOのイワン・ソト=ライト氏は「エージェント経済には決済の仕組みはあったが、ウォレットの共通規格がなかった。それを構築しオープンソース化した」と述べた。
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