ビットコインを財務戦略に本格活用、保有量は320.2 BTCに
ブラジルのフィンテック企業「Meliuz(メリウス)」は16日、2,840万ドル(約41億円)相当のビットコイン(BTC)を新たに購入したことを発表した。今回の購入により、同社のビットコイン保有量は320.2 BTCに達し、600%の「BTC Yield(1株あたりのビットコイン保有効率)」を達成したことも明らかになった。
メリウスはビットコインを戦略的資産と位置づけ、自社の財務戦略に組み込んでいる。3月6日には取締役会の承認を得て、現金準備金の最大10%をビットコインに投資する方針を決定。この一環として、約410万ドル(約5.9億円)を投じて45.72 BTCを取得し、ブラジルで上場企業として初めてビットコインを財務戦略に導入した企業となった。
さらに、4月14日にはビットコインを戦略的資産とする方向での定款変更を提案。これに続き、5月6日に臨時株主総会が開催され、ビットコイン財務戦略導入に関する審議が行われた。メリウスの会長であるイスラエル・サルメン氏によると、出席株主は60.9%に達し、そのほぼ全員がこの新戦略に賛成票を投じたという。今回の追加購入は、こうした一連のプロセスと株主の強い支持を背景に実現したものと言えるだろう。
ビットコインは近年、国家や企業をはじめとする多様な組織が保有するようになり、財務戦略上の新たな選択肢として注目を集めている。今回のメリウスのような企業によるビットコインの戦略的な活用は、従来の投資戦略や資産管理に不満を抱えるブラジル国内の他企業に波及する可能性がある。こうした企業の先行事例が、ブラジルにおける実用的なビットコイン活用の潮流を形成していく第一歩となるかもしれない。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.11円)