仮想通貨ユーザー、日韓で真逆の構図 日本はZ世代、韓国は“50代マネー”が主役

JinaCoin編集部
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平均2億円超を保有──50歳以上の“大口投資家”が急増

韓国国内で暗号資産(仮想通貨)を保有する投資家数が昨年、大幅に増加し、なかでも50歳以上の中高年層が「大口投資家」の半数を占めていることが明らかになった。韓国メディア「東亜日報」が22日に報じた。

このデータは、韓国の与党「共に民主党」に所属するアン・ドジェ議員が、韓国の主要仮想通貨取引所5社(Upbit、Bithumb、Coinone、Korbit、Gopax)から提供を受けた資料に基づくものである。調査によれば、2023年末時点で、これら取引所に取引可能な口座を持つ投資家は合計966万7,023人に達した(Korbitのみ2023年9月末時点のデータ)。これは、前年から52.6%、およそ333万人の大幅増である。これら全員が保有する仮想通貨の額は105兆107億ウォンで、100兆ウォン(約10兆円)を超える。

この急増とともに、特に目立つのは中高年層の積極的な参入である。50代の投資家は175万人にのぼり、前年から56.4%増加した。さらに60歳以上の投資家も、37万1,800人から63万6,700人へと52.6%増加している。

また、1人あたり10億ウォン(約1億円)以上の仮想通貨を保有する、いわゆる「大口投資家」の中でも、50歳以上が半数近くを占めることが明らかとなった。2023年末時点で5取引所において大口投資家は合計9,135人存在し、そのうち50代が3,215人(35.2%)、60歳以上が1,817人(19.9%)であった。つまり、全体の55.1%が50歳以上という計算になる。これら中高年の大口投資家は、1人あたり平均して21.5億ウォン(約2億2,000万円)相当の仮想通貨を保有していることになる。

アン・ドジェ議員は、急増する中高年層の仮想通貨投資に対して警鐘を鳴らし、「投資家を保護するために、最低限の規制枠組みを早急に整備すべきだ」と指摘している。

若者中心の日本とは対照的

一方、日本における仮想通貨投資者の年齢分布は韓国とは対照的である。MMD研究所が2025年に行った調査によれば、20~69歳の男女43,087人のうち仮想通貨取引の経験があるのは全体の8.2%にとどまり、その中心は20代から40代の男性に集中している。特に男性40代は21.9%、30代は17.0%、20代は14.0%であり、50代の男性は13.9%、60代ではわずか7.3%である。女性は全体的に保有率が低く、60代女性では2.8%にすぎない。

仮想通貨市場への中高年層の急激な流入はリスクを孕んでいる。豊富な資産を背景に多額の投資を行うケースが増える一方で、情報リテラシーや市場変動への耐性に課題がある層も存在する。市場の健全性を保ちつつ、個人投資家が適切な判断を下せる環境を整えるため、政府および取引所による透明性確保と教育体制の強化が急務であると言える。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ウォン=0.1円)

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