フィナンシャル・タイムズ、仮想通貨への14年間の否定的報道を謝罪

JinaCoin編集部
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ビットコイン否定派 3つの誤算

「Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)」は5日、仮想通貨への14年間にわたる否定的報道に対する謝罪文を掲載した。長期にわたる持論をついに撤回し謝罪に至ったのは、同5日にビットコイン価格が10万ドルという大きな節目を超えたことによる。

フィナンシャル・タイムズは、ビットコインの真価を見誤った理由を「3つのデメリットの過大評価」としている。3つのデメリットとは、

  • マイナスサム
  • ユーティリティの複製可能性
  • ノベルティ効果

の3つである。

以下、フィナンシャル・タイムズが主張するビットコイン 3つのデメリットについて見ていこう。

「マイナスサム」

フィナンシャル・タイムズは、ビットコインは本質的に「マイナスサム」だと考えた。巨額の電力消費やマイニング装置コスト、環境負荷を挙げ、経済社会の価値を蝕む仕組みと断じた。

だが、実際には、価値とは常に主観的なものだ。初期の非効率は新興テクノロジーにおける宿命的プロセスでもある。かつて金は単なる光る金属片に過ぎなかったが、その後、経済的礎石に昇華した。

そして将来、ビットコインが技術改善と新たな経済モデルを創出する可能性があるなら、現行の負担は「種蒔き」となりうる。視野を拡げれば、ビットコインは既存通貨制度への批評的代替案であり、フィナンシャル・タイムズはその進化こそを注視すべきだったのだ。

「ユーティリティの複製可能性」

フィナンシャル・タイムズは、ビットコインは、その価値特性―非中央集権性、迅速な送金、インフレ耐性―が容易に複製可能であると考えた。「ユーティリティの複製可能性」は、後続の暗号技術が同様の機能を模倣し、先行者たるビットコインの独自性を希薄化する。

だが、実際には、ビットコインは「初代」という歴史的肩書から文化的・象徴的存在へと昇華し、ブランド価値の再定義に成功した。

「ノベルティ効果」

フィナンシャル・タイムズは、これまで数次にわたるビットコインブームを「ノベルティ効果」で片付けてきた。新奇なデジタル資産は初期の過剰な熱狂が冷めれば価値が消える、と。内在価値を欠き、決済速度や手数料の難点、代替プロジェクト乱立がその根拠だ。確かに利回りを生まぬビットコインは従来資産とは異なる。

だが、実際には、ビットコインは思想的基盤や希少性への強固な信認、金融統制・インフレ不信から「デジタル金」と再定義されつつある。機関投資家も静かに参入を進め、市場は成熟過程に入った。一部国際規制当局や大手金融機関は慎重姿勢を崩さないが、デジタル資産エコシステム全体は進化を続けている。フィナンシャル・タイムズが「ノベルティ止まり」と断じたのは早計だったのだ。

デメリットにフォーカスしすぎるな

本件から得られる教訓は、たとえ複数の大きなデメリットがあったとしても、それを上回るメリットがあれば、社会のマジョリティはそれを採用する、ということだ。

島国に住む日本人は、フィナンシャル・タイムズの発行元・英国人と気質が似ているという。人や物の欠点をあげつらい、新しい人や物を受け入れられない傾向が強いらしい。我われもフィナンシャル・タイムズの轍を踏まぬように気をつけたいものだ。

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情報ソース:THE FINANCIAL TIMES
アイキャッチ画像Shutterstockのライセンス許諾により使用

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