仮想通貨ETPから過去最大の資金流出=CoinShares

JinaCoin編集部
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投資家心理の冷え込む、3週間で38億ドルが流出

資産運用会社「CoinShares(コインシェアーズ)」は4日、暗号資産(仮想通貨)の上場取引型金融商品(ETP)に関する週間レポートを公開した。レポートによると、仮想通貨ETPからの資金流出は3週連続で、先週(2月23~3月1日)は週ごとの流出額としては過去最大となる総額29億ドル(約4,337億円)となり、3週間の総額は38億ドル(約5,683億円)となった。

コインシェアーズのリサーチ部門責任者ジェームズ・バターフィル氏によると、この大規模な資金流出の背景には、いくつかの要因があると考えられている。まず、仮想通貨取引所「Bybit(バイビット)」のハッキング事件が投資家心理を悪化させたことが挙げられる。

さらに、米連邦準備制度(FRB)の引き締め的な金融政策への警戒感が高まっていることも影響した。加えて、過去19週間で合計290億ドル(約4.3兆円)もの資金が仮想通貨投資商品に流入していたため、一部の投資家が利益確定のために資金を引き揚げた可能性がある。

地域別に見ると、アメリカが最も大きな流出を記録し、その額は28.7億ドル(約4,292億円)にのぼった。次いで、スイスが7,300万ドル(約109億円)、カナダが1,690万ドル(約25億円)の流出となった。

一方で、ドイツの投資家はこの価格下落を買いの好機と捉えたようで、5,530万ドル(約82億円)の流入となった。この動きから、欧州の一部では仮想通貨への強気な姿勢が続いていることがうかがえる。

銘柄別では、ビットコインが最も大きな打撃を受け、先週だけで25.9億ドル(約3,873億円)が流出した。これに対し、ビットコインをショートする商品には230万ドル(約3.5億円)の少額の流入が見られた。

また、イーサリアムも記録的な週次流出を経験し、3億ドル(約448億円)が市場から引き揚げられた。その他、ソラナは740万ドル(約11億円)、トンコインは2,260万ドル(約33億円)の流出となった。

市場全体がネガティブな動きを見せる中で、例外的に資金が流入した銘柄も存在する。特に注目されたのはスイで、1,550万ドル(約23億円)の資金が流入した。次いで、リップル(XRP)が500万ドル(約7.4億円)の流入を記録した。

仮想通貨市場の弱気ムードは、ブロックチェーン関連株にも波及し、2,530万ドル(約37億円)の流出が発生した。

今回の大規模な資金流出は、投資家の慎重な姿勢を浮き彫りにした。FRBの金融政策やハッキング事件といった不安要素が引き続き市場を揺るがす可能性があり、短期的なボラティリティは高まりそうだ。ただし、ドイツ市場のように下落を買いの好機と見る動きもあり、今後の資金の流れには注目が集まる。

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