ファイル送信・通話機能などでDMを刷新
X社のオーナーであるイーロン・マスク氏は2日、同プラットフォームのダイレクトメッセージ(DM)機能を大幅に刷新する新機能「XChat(エックスチャット)」の提供開始を発表した。執筆時点では、一部のiPhoneユーザーだけが利用できるようだ。
XChatとは?従来のDMからの進化
XChatは、Xが以前から開発を進めていると報じられていた新しいメッセージングプラットフォームだ。XChatの主な新機能として、マスク氏は以下の点を挙げている。
- 暗号化:メッセージのプライバシー保護を強化。
- メッセージの自動消滅機能:一定時間経過後にメッセージが自動的に消える機能。
- あらゆる種類のファイル送信:PDFなど、これまでDMでは送信が難しかったファイル形式にも対応。
- 音声・ビデオ通話:電話番号なしで、すべてのプラットフォーム間で音声およびビデオ通話が可能になる。
過去の報道では、これらに加えてメッセージの既読ステータス取り消し機能や、チャット内の全員のメッセージを削除する機能、PINコードによるセキュリティ強化なども予定されていると伝えられている。
「ビットコイン式(Bitcoin style)暗号化」とは?
マスク氏が言及した「Bitcoin style encryption(ビットコイン式暗号化)」という表現には、Xユーザーの間で「具体的に何を意味するのか?」という疑問の声が上がっている。
現時点で詳細な技術的説明はないものの、一般的にビットコインは公開鍵暗号やハッシュ関数などの堅牢な暗号技術で保護されている。マスク氏の発言は、XChatのメッセージ暗号化にも、これらに匹敵するようなセキュリティ技術を採用したことを示唆しているのかもしれない。あるいは、「高度で安全な暗号化」を強調するための比喩的な表現に過ぎない可能性もある。
なお、現時点ではXChatのメッセージがビットコインのブロックチェーンに記録されたり、暗号資産(仮想通貨)と直接関連するという情報は確認されていない。「ビットコイン」という言葉を使ったのは、仮想通貨の熱狂的な推進者としても知られるマスク氏が、ユーザーからの注目を集めるためであると解釈するのが自然だろう。
イーロン・マスク氏は以前からXを決済機能なども含めた「スーパーアプリ」へと進化させる構想を語っており、XChatの導入もその構想の一部であると考えられる。今後、「ビットコイン式暗号化」の具体的な内容や、XChatのさらなる機能拡張についての発表が待たれる。
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