米カストディア銀行、米銀初の非許可型ステーブルコイン「Avit」発行

JinaCoin編集部
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米国銀行システムに新たな米ドル決済レールが誕生

米国の「Custodia Bank(カストディア銀行)」は25日、「Vantage Bank(ヴァンテージ銀行)」との協業により、パブリックブロックチェーン上で米ドル預金のトークン化を実施し、米銀として初となる銀行発行ステーブルコイン「Avit(アヴィット)」の発行、移転、償還を完了したと発表した。これは、米国銀行システム内に新たな米ドル決済レールが誕生したことを意味し、世界的に高まる米ドル建てステーブルコインへの需要を背景に実現した。

発表によると、両銀行はイーサリアムのメインネット上でERC-20規格を用いて「Avit」トークンの発行、移転、償還を行った。この一連のテスト取引において、低い取引コスト、迅速な取引決済、プログラマビリティ、監査可能性など、複数の効率性が確認された。取引は安全で規制に準拠した銀行環境内で行われたという。

取引は8段階に分けて実施され、ヴァンテージ銀行がステーブルコインの法定通貨準備金の管理と、米国の決済ネットワークである「Fedwire(フェドワイヤー)」および「ACH」によるサービスを提供した。一方でカストディア銀行は、独自のAvit管理システムを用いて、ブロックチェーンの発行・償還サービス、カストディサービス、ブロックチェーン取引の監視および照合を担当した。8段階のプロセスには、銀行顧客によるAvitトークンの自己管理ウォレットへの移転、銀行システム外での企業間取引、そして償還のためのAvitトークンのカストディア銀行への返還が含まれる。

カストディア銀行のCEOであるケイトリン・ロング氏は、「我々は規制および法律面で画期的な進歩を遂げ、米国の銀行が規制に準拠した方法で、非許可型(パーミッションレス型)ブロックチェーン上に預金をトークン化できることを証明した」と述べた。さらに、「近年ステーブルコイン分野のイノベーションを阻害してきた米国の規制上の障害が解消され、米国の消費者が非許可型ブロックチェーン技術の持つ大きなネットワーク効果とグローバルなリーチから恩恵を受けられるようになることを期待している」と語った。

今回のカストディア銀行とヴァンテージ銀行によるステーブルコインの発行は、米国の金融業界におけるデジタル資産の活用において重要な一歩となる。これまで、ステーブルコインの発行は主に暗号資産(仮想通貨)関連企業が担ってきたが、銀行が本格的にこの領域に参入することで、より安全で信頼性の高いデジタル決済インフラの構築が期待される。

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