仮想通貨チャート分析
ビットコイン(BTC):関税巡る報道がボラティリティを高め乱高下
ビットコイン価格は昨日4日、前日比3.49%下落した。執筆時現在、価格は98,000ドル付近を推移している。
仮想通貨市場は上昇する動きが見られていがた再び急落し、関税を巡る報道によって状況は二転三転している。下落の背景には、トランプ政権が中国からの輸入品に対して10%の追加関税を賦課することを発表し、それに対して中国も同日、報復としてアメリカからの輸入品に追加関税を課すことを表明したことが挙げられる。
一昨日3日、トランプ政権はメキシコとカナダの両首脳間の合意で関税発動を1ヶ月先送りすることが決まり、貿易戦争への懸念が後退していた。関税を巡る国際間での緊迫状況が仮想通貨市場にも大きな影響を与えており、今後も乱高下の相場が繰り広げられる可能性がある。引き続き関税交渉の報道には注視が必要だ。
ビットコインの日足は、直近でボラティリティの高い相場が展開されている。現在90,000ドルから109,000ドル付近でレンジを形成しており、その上限と下限を往来している。一昨日3日の最安値は91,100ドル台をつけ、下ヒゲをレンジの下限値まで伸ばした。昨日4日は下落相場となったが、安値は切り上げており、今後反発の勢いを継続できるのかに注目が集まっている。
4時間足では、91,000ドルで底値を打った後、反発して102,000ドル台まで上昇したが、戻して98,000ドル台を推移している。移動平均線は、直近の下落でデッドクロスが出現し、上値が重いことを示している。反発の勢いから上昇トレンド転換を示すためには、上昇平行チャンネルの下限値が重なる95,000ドル付近では価格を維持したい状況となっている。昨日は移動平均線の密集帯で抵抗された動きも見られるため、今後高値を切り上げて移動平均線の密集を上抜けることができれば、移動平均線は密集から拡散に向かい上昇していく展開もシナリオとして考えられるだろう。
イーサリアム(ETH):反発弱く下落トレンド継続か
イーサリアムは、昨日4日、前日比5.16%下落した。執筆時現在、価格は2740ドル付近を推移している。
日足では、下落相場が長引き、3000ドルを下回る価格で推移している。フィボナッチリトレースメントで78.6%戻しの価格帯にあたる。2750ドル付近でサポートに失敗した場合、全戻し水準まで下落する可能性が高まるだろう。全戻しの推定価格は2370ドル付近と見られ、昨年11月のアメリカ大統領選挙前後の価格水準まで下落することになるだろう。
4時間足を確認すると、デッドクロスが出現している。2100ドル台まで下落した後、反発する動きが見られており、現在は2700ドル台で横ばいを形成し始めている。ローソク足は移動平均線を全て下回っているため、今後は上値が重い相場が展開されることが予想される。今後の値動きの予想としては、2730ドル付近でサポートされ上方向に動いた場合は、下げ前水準である3200ドル台を目指していくことが予想される。反対に下落する場合は、2730ドルのサポートをブレイクし、月足抵抗線が重なる2450ドル付近まで下落する可能性があると予想される。
ソラナ(SOL):今後上昇転換サイン示せるか
ソラナは、昨日4日、前日比4.46%下落した。執筆時現在、価格は230ドル付近を推移している。
日足では、引き続き下降平行チャネル内を推移している。昨日は下落相場となったが、日足ローソク足は高値と安値を切り上げた。200ドルの心理的節目価格がサポートとして意識され、価格を維持したと見られる。また、一昨日3日の下落で月足レベルの抵抗線にタッチし、反発に勢いがあったことが考えられる。今日明日の相場で、安値と高値を切り上げることができれば有効な上昇トレンド転換サインとなるだろう。
現在ローソク足は3本の移動平均線の中央付近に位置しており、テクニカル的には横ばいを形成しやすい環境となっている。
4時間足では、200ドルから220ドル付近の狭いレンジが形成され始めている。220ドル付近で抵抗されたことで、短期でダブルトップが形成されている。220ドルを上抜けることに成功した場合は上昇サインを示し、反対にダブルトップのネックラインである。200ドル付近を抜けた場合、さらに下のレンジへ移行する可能性があるだろう。
リップル(XRP):2017年の最高値がサポートに
リップルは、昨日4日、前日比6.53%下落した。執筆時現在、価格は2.5ドル付近を推移している。
日足では、昨日は相場となったが、2017年最高値の2.47ドル付近がサポートとなった。高値をわずかに更新したが、下げ前の水準である2.9ドルから3ドル付近からは離れた価格帯を推移している。最近の下落によって、短期移動平均線は下向きになった。過去の相場を確認すると、長い下ヒゲを出現させた後は買われて上昇する動きが多く見られる。今後の相場で過去と同様にトレンド転換サインを示していけるのか、非常に注目が高まっている。
4時間足では、直近の値動きで反発からの上昇が見られるが、デッドクロスが出現し、短期移動平均線で抵抗されて高値を切り下げ始めている様子が確認できる。もし今後の値動きで2017年最高値の2.47ドル付近を明確に抜ける場合、1つ下のレンジに移行することが予想される。その場合のレンジ価格は1.96から2.47ドルとなりそうだ。今後上昇転換を示す上では、2.47ドル付近でサポートされることが非常に重要となってくるだろう。
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使用インジケーター
- トレンドライン
- 月足:白 週足:黄色 日足:緑 4時間足:赤 1時間足:青
- 水平線
- 最高値or直近高値:ピンク
- 最安値or直近高値:水色
- レジサポライン:紫
- SMA(単純移動平均線)
- 短期(25日):青
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- ボリンジャーバンド
- 30SMA
- 20SMA
使用オシレーター
- MACD、RSI、出来高