ソラナの購入・保有・ステーキングを柱に財務戦略を構築
米国を拠点とする教育テクノロジー企業「Classover(クラスオーバー)」は1日、ソラナ(SOL)を活用した新たな財務戦略の実行に向け、最大4億ドル(約579億円)分の自社株式を販売できる資金調達枠を「Solana Strategies(ソラナ・ストラテジーズ)」との間で締結したと発表した。
クラスオーバーは2020年に設立されたEdTech(教育テクノロジー)企業で、K-12(幼稚園から高校3年生)を対象としたライブ形式のオンライン学習サービスを展開している。学年や学習レベル、興味関心に応じた多様なカリキュラムを提供し、AIを活用した指導も行っている。米国を中心に、グローバルな学習ニーズに対応した事業を展開している。
調達された資金は、主にソラナを基盤とするデジタル資産戦略に活用される。クラスオーバーは、SOLトークンの購入や長期保有、ステーキングによる利回り獲得を通じて、デジタル資産を中心とした新たな資産運用戦略を展開する。また、自社でSOLバリデータノードを運用し、ネットワークの分散性とセキュリティへの貢献を目指すとともに、得られたステーキング報酬を再投資する方針だ。
この戦略では、ソラナを企業の準備資産として位置づけ、財務基盤の強化とデジタル資産の積極的な活用を目指す。あわせて、資金の一部は運転資金や戦略的買収にも充てられる予定である。
クラスオーバーの最高経営責任者(CEO)であるステファニー・ルオ氏は、今回の財務戦略について、「教育事業でも企業財務でも、当社の活動には常にイノベーションを重視する姿勢がある」とした上で、「ソラナの導入によりバランスシートの強化と柔軟性の向上を図り、上場企業におけるブロックチェーン統合の先例となることを目指す」と述べた。
企業財務における暗号資産(仮想通貨)の導入はまだ発展途上にあるが、クラスオーバーのように、明確な運用戦略と実行体制を備えて仮想通貨を財務に組み込む事例は、今後の企業動向や制度設計に影響を与える可能性がある。ブロックチェーン技術の実用化が進む中で、その役割は今後一層注目されるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.07円)