マイニング機器メーカー「カナン」、24年Q4のマイニング収益は前年比312%増

伊藤 将史
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画像はCanaan公式Xより引用

稼働中の装置増とビットコイン価格が追い風に

ビットコインマイニング機器メーカー「Canaan(カナン)」は26日、2024年第四四半期および通年の財務実績レポートを公表した。

カナンは、米ナスダック上場企業。ASIC(マイニング専用集積回路)の設計・製造・販売を手掛けるほか、近年では自社によるビットコインマイニング事業にも力を入れている。

2024年第四四半期の主な実績は以下のとおり(括弧内は前年同期比)。

  • 総収益:8,880万ドル(80.9%増)
  • マイニング収益:1,530万ドル(312.5%増)
  • 製品収益:7,350万ドル(63.6%増)
  • 販売したコンピューティングパワー:毎秒910万TH/s(65.9%増)

※ TH/s:テラハッシュ。マイニング時の1秒あたりの計算能力を示すハッシュレートの単位。

特に収益増が著しかったマイニング収益は、「稼働中のマイニング装置の増加とビットコイン価格の上昇」が主な要因とされている。この期間には合計186 BTCをマイニングし、1 BTCあたり82,174ドルの平均収益を得たという。

また、2024年通期でも、同社の事業は堅調に推移した。

  • 総収益:2億6,930万ドル(27.4%増)
  • マイニング収益:4,400万ドル(29.6%増)
  • 製品収益:2億2,320万ドル(22.3%増)

なお、2024年はビットコイン価格の上昇に加え、マイニング全体のハッシュレートもかつてないほど上昇した年だった。

ビットコインハッシュレート
出典:Blockchain.com

※ EH/s(エクサハッシュ)はTH/sの100万倍を示す単位。

マイニング市場全体での競争激化が続いている環境のなかでも、カナンはマイニング機器の販売と自社マイニングの双方で着実に事業を拡大しているといえるだろう。

なお同社は、今回の決算発表と同時に、米ペンシルベニア州とテキサス州の施設でのマイニング拡張計画を発表。新たに2社のパートナーと契約を結び、合計で約4.7 EH/sの計算能力が追加される見通しだとしている。

マイニング事業者の動向は、ビットコイン相場を読み解くうえで欠かせない情報となっている。2025年以降も、同社を含めたマイニング業界の動向を注視しよう。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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