Etnaアップグレードで開発者流入、成長加速の兆し
スタンダード・チャータード銀行のデジタルアセット・リサーチ部門のグローバル責任者、ジェフリー・ケンドリック氏は2日、2029年末までにアバランチトークン(AVAX)が250ドルに達する可能性があると予測した。暗号資産(仮想通貨)メディア「The Block(ザブロック)」の報道によると、ケンドリック氏は最新レポートの中でその見解を示している。
スタンダード・チャータード銀行はロンドンに本社を置き、アジア・アフリカ・中東を中心に世界中で事業を展開する金融グループ。ケンドリック氏は今年2月にも「ビットコイン価格が2028年末には50万ドルに到達する」と発言するなど、強気な価格予測で知られる著名アナリストである。
ケンドリック氏によると、AVAXの価格は2025年末に55ドル、2026年に100ドル、2027年には過去最高値となる150ドル、2028年に200ドル、2029年には250ドルへと段階的に上昇していくと予測されている。「その結果、AVAXは今後数年でビットコインやイーサリアムを相対的な価格上昇率で上回る可能性がある」としており、ただしAVAXは歴史的にボラティリティが高く、3カ月ベースのボラティリティはおよそ100%で、ビットコインの約2倍に相当するとも述べている。
執筆時点のAVAX価格は18.74ドル(約2,760円)。この予測が実現すれば、価格は10倍以上に跳ね上がることになる。
同氏は、「最近の関税に関連した市場の混乱は、デジタル資産価格が次の上昇局面に向かうためのリセットの機会を与えてくれた。その中で、改めて”勝者”を選ぶチャンスがある」とし、「アバランチはその勝者のひとつ、あるいはEVM(イーサリアム仮想マシン)チェーンの最大の勝者になる可能性がある」と述べた。
その理由として、2024年12月にメインネットでの稼働が開始したアバランチの大型アップグレード「Avalanche 9000」を挙げた。特に中心的なアップグレードである「Etna(エトナ)」の導入により、アバランチ上でのサブネット立ち上げがこれまでに比べて大幅に安価かつ容易になり、それぞれのサブネットが独自のレイヤー1ブロックチェーンとして稼働できるようになった。従来は、サブネットを立ち上げるために2,000 AVAXをステーキングする必要があった。しかしこの要件が撤廃されたことで、立ち上げにかかるコストはほぼゼロにまで削減された。
ケンドリック氏は、初期の兆候からこのアップグレードの効果が現れていると分析している。「アクティブなサブネットの4分の1がすでにエトナアップグレードに対応しており、開発者の数はアップグレード以降40%増加している」と述べ、一部の開発者はイーサリアムとの互換性を活かして、イーサリアムのレイヤー2からアバランチへと移行していると説明した。
一方で懸念点もある。アバランチの取引手数料は、依然としてArbitrum(アービトラム)などの一部レイヤー2よりも高い水準にある。そのため、「既存のアプリを移植するよりも、新しいアプリを誘致することがアバランチの成長にとって重要」だと指摘している。特に、ゲームや消費者向けツールといった分野が有望だという。
昨今はイーサリアムレイヤー2への注目が集まることが多いが、EVMチェーンの勝者としてアバランチが台頭することになるのか、熾烈なチェーン競争に注目したいところだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.27円)