DeFiプロトコル大手Aave(アーベ)の創設者スタニ・クレチョフ氏は17日、米証券取引委員会(SEC)が8月12日付で発行した書簡により、アーベへの調査を終了し、執行措置を勧告しない方針を示したことを明らかにした。
開発リソースを費やした4年間、不当な規制圧力からの解放
クレチョフ氏は自身のXへの投稿で、「4年の歳月を経て、ついにSECがアーベへの調査を終了したことを共有する準備ができた」と報告した。SECが8月12日付で発行した書簡には、「我々は現時点での情報に基づき、委員会による執行措置を勧告する意図はない」と明記されている。
同氏によると、「このプロセスはアーベとそのエコシステム、ひいてはDeFi(分散型金融)全体を守るために、チームおよび創設者個人として多大な労力とリソースを要するものだった」という。クレチョフ氏が今回公表したSEC書簡は8月12日付で発行されており、約4カ月を経て正式に公表に至った。
アーベに対するSECの調査は約4年前の2021年頃から開始されたとみられている。当時、SECはDeFiプロトコルに対しても監視の目を強めていた時期であり、アーベが発行する独自トークン「AAVE」の性質やプロトコルの運営実態が米証券法の適用対象となるのか、といった観点からの調査が行われたものと推測される。
クレチョフ氏は声明の中で、「近年、DeFiは不当な規制圧力に直面してきた」と指摘した上で、「これを過去のものとし、開発者が真に金融の未来を構築できる新しい時代に入れることを嬉しく思う」と述べた。最後は「DeFi will win(DeFiは勝つ)」と、長期間にわたる規制当局との対峙がひとつの区切りを迎えたこと、これによりDeFi分野の懸念が一つ取り払われたことをポジティブな言葉で語った。
トランプ大統領は2025年1月20日に就任し、親暗号資産政策を掲げている。SECによるアーベへの調査終了を示す書簡が発行された8月12日は、トランプ政権発足から約7カ月後にあたる。トランプ政権下においては、過去に行われた暗号資産プロトコルへの執行や調査が次々と終了しており、今回の事例も政権の親暗号資産政策の影響によるものと言えそうだ。
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