- 最良の取引ルートを選択するDEXアグリゲーター 「1inch」の概要を解説
- ガス代無料の「Fusion」モードや4種類のトレード機能を解説
- 1INCHトークンのステーキングやガバナンスについて解説
分散型取引所(DEX)1inch(ワンインチ)とは?

1inch(ワンインチ)概要
名称 | 1inch Network |
対応チェーン | Ethereum、BNB、Polygon、Optimism、Arbitrum、etc |
対応ウォレット | 1inch、MetaMask、Coinbase wallet、WalletConnect、etc |
モバイルアプリ | 1inch wallet |
登録方法 | ウォレット接続のみ |
日本語対応 | ○ |
公式サイト | https://1inch.io/ja/ |
公式X | https://x.com/1inch |
公式Discord | https://discord.com/invite/1inch |
公式ブログ | https://blog.1inch.io/ |
公式Yotube | https://www.youtube.com/@1inch_Network |
公式テレグラム | https://t.me/OneInchNetwork |
1inchは2020年8月にローンチされた世界最大級の取引高を誇るDEX(分散型取引所)アグリゲーターです。ユーザーはウォレットさえあれば誰でも取引可能です。日本語にも対応しています。
DEXアグリゲーターとは
1inchはDEX(分散型取引所)アグリゲーターとして、1inchだけでなくUniswapやCurve、PancakeSwapなど複数のDEXからリアルタイムで価格情報を収集し、最良の取引レートを提案します。ユーザーは簡単な操作で複数のDEXから最適な価格で取引できるだけでなく、ガス料金を最大40%節約することが可能です。
アグリゲーターは「情報収集サイト」「収集する人・組織」といった意味を持つ用語です。1inchのようなDEXアグリゲーターでは、各DEXの情報を自動で収集し、安価な手数料と利益の最大化をサポートしてくれます。

イーサリアムをはじめ各ブロックチェーンに対応
1inchはイーサリアムのブロックチェーンだけでなく、BNBチェーンやPolygonチェーンなど人気チェーンから、GnosisやAuroraなど新興チェーンまで10ものブロックチェーンに対応しています。今後も対応チェーンは増える予定です。

仮想通貨1INCHとは?

1INCHトークンの基本情報
名称 | 1inch(ワンインチ) |
シンボル | 1INCH |
上場開始日 | 2020年12月25日 |
発行上限枚数 | 15億枚 |
ブロックチェーン | イーサリアムチェーン、BNBチェーン |
公式dApp | https://app.1inch.io |
購入できる主な取引所 | Bitget、Binance、1inch |
1INCHトークンは1inchが発行する独自トークンです。2020年12月25日の上場直前までに1inchを使用したことがあるユーザーに対し、運営チームからの大型エアドロップが実施され話題となりました。1INCHトークンはマルチチェーン対応で、イーサリアムとBNBチェーンで利用できます。主な用途として流動性提供のユーティリティやガバナンスに使用されます。
1INCHトークンはローンチ後すぐDeFiの盛り上がりとともに価格が上昇しましたが、現在は仮想通貨業界全体の冷え込みとともに最安値に近い状態となっています。しかしDEXの需要は、今後さらに増していくことが予想されており、1INCHトークンもDeFiを代表する銘柄として、再度価格上昇が期待できます。
1inch(ワンインチ)の始め方【事前準備】
1inchを使用するためには仮想通貨のウォレットが必要となります。MetaMask(メタマスク)をはじめ、Coinbase wallet、WalletConnectなど主要なウォレットはほとんど対応しています。
メタマスクがあれば1inchの利用は可能となっていますが、今回は1inchが開発した独自ウォレット「1inch Wallet」を使って説明していきます。「1inch Wallet」は、1inchのDEXプラットフォームを利用するにあたって、最高の相性となっているためおすすめです。
2022年9月には、1inch WalletでL2チェーンのOptimism(オプティミズム)を使用していたユーザーを対象に、Optimismチェーンの基軸トークン「OP」のエアドロップが行われました。今後も1inch Walletを使用することで何らかのエアドロがもらえることが予想されるため、この機会に使ってみてはいかがでしょうか。
1inch Walletの登録方法
ここでは1inchの独自ウォレット「1inch Wallet」の登録方法を解説いたします。1inchウォレットは簡単に1inchにアクセスして取引可能なだけでなく、トップレベルのセキュリティを備え、AppleではiCloudにバックアップできるなど独自の便利な機能を備えています。
まずは1inch公式サイトに行きアプリをダウンロードします。App StoreとGoogle Playのどちらにも対応しています。ここではiPhoneの場合で解説いたします。

アプリを開くと新しいウォレットを作成するか、既存のウォレットをインポートするか、またはハードウェアウォレットに接続するかを選択できます。ここでは新規にウォレットを作成します。
インポートする場合は秘密鍵やリカバリーフレーズを入力してください。

ウォレットを作成するを押すとまず利用規約とプライバシーポリシーのページになるので内容を確認してチェックを入れて続行ボタンを押してください。
名前とカバーを設定できます。好きな名前を入力し、5種類のカバーとパターンからお好きなものを選択し、「作成する」ボタンを押してください。ウォレットの作成が完了しウォレットアドレスが表示されています。

次に作成したウォレットのリカバリーフレーズをバックアップします。
リカバリーフレーズに関する注意事項が記載されているので確認できたら「用意ができました」ボタンを押してください。12のリカバリー(回復)フレーズが表示されます。
メモしてチェックボックスにチェックを入れて「続行」ボタンを押すとリカバリーフレーズの確認画面になります。指定の文字を選ぶとバックアップ完了です。

1inchウォレットは分散型のため管理者がいないので、リカバリーフレーズを忘れると誰も復元できません。銀行口座でいう暗証番号や実印のようなものです。決して他人に見せないよう必ずメモをしましょう。
iPhoneの場合はiCloudにバックアップすることも可能です。TOPページ右下の歯車マークの設定を押してください。icloudバックアップの項目をONにすると、バックアップの新規作成ページが出てきますので、パスワードを設定するとバックアップできます。

イーサリアム(ETH)をウォレットに準備
ウォレットに仮想通貨を送付するには仮想通貨を購入できる取引所の口座が必要です。今回はイーサリアム(ETH)をウォレットに送付します。イーサリアム(ETH)はコインチェック、GMOコインをはじめとした国内取引所で購入できます。まだ取引所に口座をお持ちでない場合、以下の記事を参考にしてみてください。
おすすめ国内仮想通貨取引所
- GMOコイン
GMOコインは、手数料の安さと取扱銘柄の豊富さで定評のある国内取引所です。特に仮想通貨の送金手数料が無料であるため、海外仮想通貨取引所やMetaMask(メタマスク)などへの送金におすすめです。 - コインチェック
コインチェックは国内でもトップクラスのユーザー数を持つ仮想通貨取引所です。仮想通貨の売買手数料が無料で、積立やレンディングなど豊富なサービスを提供しています。特にスマホアプリの操作性やデザインが高評価で、仮想通貨初心者におすすめの取引所です。 - bitFlyer
bitFlyerは、国内最大級のビットコイン取引量を誇る国内取引所です。ビットコインが貯まるクレジットカードや、Vポイント(旧Tポイント)をビットコインに交換できるサービスが評判です。さらに、少額から仮想通貨を手数料無料で購入できる点も魅力です。
国内取引所は、トラベルルールの影響で海外取引所との送金が制限される場合があります。そんなときは、メタマスクなどのプライベートウォレットを経由すれば問題ありません。
またBybitをはじめとした海外取引所でもイーサリアム(ETH)の購入が可能です。海外大手の海外取引所ではお得な新規登録キャンペーンをよく実施していますので、ぜひこの機会にご登録ください。
おすすめ仮想通貨取引所
イーサリアム(ETH)を購入できましたらウォレットに送金しましょう。
1inch(ワンインチ)でのトレード(交換)方法
準備ができましたら1inchでのトークンのトレード(交換)をやってみましょう。
ウォレットを接続
1inchのdApp(https://app.1inch.io)にアクセスし、右上または中央の「Connect wallet」を選択します。

接続するネットワークとウォレットの選択画面になりますので、自分の接続したいネットワークとウォレットを選択してください。

1inchウォレットを使用する場合は、WalletConnectのQRコードが開きます。ウォレットアプリ右上のリーダーで読み取ってください。ウォレット側で接続ボタンを押すと接続できます。
また1inchウォレットアプリからは直接1inchのdApp(https://app.1inch.io)にアクセス可能で、スマホアプリから直接取引を行うことも可能です。

4種類のトレード機能
1inchではSimple mode、Classic mode、Limit Order、P2P dealの4種類のトレード機能が搭載されています。その違いを簡単に解説いたします。
Simple mode(シンプルモード)

デフォルトで設定されているSimple mode(シンプルモード)では、トークンを選ぶだけで自動的に最良のレートが選択されます。You sellに交換元のトークン、You buyに交換先のトークンを選択し、Swapボタンを押してください。

最終確認画面が出ますので問題がなければ「Confirm swap」ボタンを押してください。ウォレットが開きますので確認ボタンを押せば完了となります。
Classic mode(クラシックモード)
クラシックモードではチャートを見ながら取引が可能です。チャートは期間別に表示も可能ですので現在の価格推移を確認しながら安心して取引ができます。

Limit Order(リミットオーダー)
1inchでは指値注文プロトコルを実装しており、リミットオーダーでCEXのような指値注文ができます。ユーザーはトークンを購入したい価格や期限を入力するなど、条件を指定して注文することができ、ストップロスオーダーやトレーディングストップオーダーのような注文も可能です。

P2P deal(ピアツーピアディール)
P2P dealでは個人ユーザー間でトラストレスな取引ができます。Taker addressに相手のアドレスを入力し「Set taker address」を押すとウォレット承認がはじまり、相手方への取引URLが表示されるのでコピーして相手に伝えましょう。期限内に相手方がFill Tradeを押すと取引完了です。

Fusionモードでガス代無料のトレードをする
1inchでは2022年12月、Fusion(フュージョン)モードというガス代が無料でトレードができる機能を搭載しました。フュージョンモードでは他にも価格と時間範囲の指定ができたり、MEVボットから保護されたりなど画期的なシステムが搭載されています。
では実際にフュージョンモードで取引してみます。全てのペアが対象というわけでなくSwap modeに緑のFusionマークがあればフュージョンモードが使用できます。

ガス代が0になっているのがわかると思います。さらに詳細なオプションを「Fast」「Fair」「Auction」「Custom(開発中)」から選択することができます。
- Fast:速くスワップできる代わりに、少し高めのレートになります。
- Fair:適度なレートとなる代わりに時間がかかります。
- Auction:最良レートのために最大取引有効期限(10分)待つことになります。

お好みのスピードでぜひガス代無料の取引を体験してみてください。
1inch(ワンインチ)の使い方【ブリッジ】
1inchでは複数のブロックチェーンに対応しているため、メニューからBridges(ブリッジ)を選択すると各チェーンへのブリッジに簡単にアクセスできます。

1inch(ワンインチ)の使い方【プール(流動性提供)】
1inchではトークン(通貨)のペアをプールに預けることで流動性が提供され、流動性提供者(Liquidity Provider:LP)として報酬を得ることができます。プールに対応しているのはEtheriumとBNBチェーンのみです。
またファーミング(Farming)に関しては2025年2月現在全て終了しているので預けることはできません。
プール(流動性提供)の使い方
1inchメニューのEarnからPoolsを選択すると現在の主要なプールの流動性やAPYが表示されます。お好きなプールを選択してください。表示されているもの以外にも右の「Create Pool」ボタンを押せば好きなトークンペアでプールを作成することもできます。

選択しましたら右の矢印>マークを押すと、プールの詳細が確認できます。問題なければ「Provide liquidity」ボタンを押してください。
流動性提供をやめたい場合は「Remove liquidity」ボタンを押すと解除できます。

流動性提供をしたいトークンの数量を入力し、その後承認してください。以上で流動性提供の完了となります。

1INCHトークンのステーキングとガバナンス
1INCHトークンをステーキングすることで、ガバナンスに参加することができます。現在イーサリアムチェーンのみでステーク可能です。

メニューからEarnを選択しStakingを選択してください。ステークしたい数量とロックする期間を選択してStakeボタンを押すと完了となります。ステークをすることでガバナンスに参加するためのUnicorn Powerを得ることができます。
1INCHステイカーは誰でもガバナンス・フォーラムでパラメータ変更の提案を行い、オンチェーン投票ツール「Snapshot」で投票することができます。
1inch(ワンインチ)に関するよくある質問(Q&A)
最後に1inchに関するよくある疑問に対してQ&A形式で回答していきます。
1inchは、DeFiにおいて最も監査を受けたプロジェクトであると公式サイトで明言しています。またDeFiのリスクの一つであるBOTによるサンドイッチ攻撃によりユーザーが損失を被るのを防ぐため、1inch RabbitHoleという取引を直接バリデータに送信する機能を搭載するなど、ユーザーが安心して使用できる環境を整えています。
サンドイッチ攻撃とは、ボットが高額トレードの情報を事前に入手し、ユーザーがトレードする直前と直後にトランザクションを挟むことで、価格を不正につり上げ攻撃者がその仮想通貨を高額で売却することです。

ただし基本的に分散型で管理者が不在なため、例えば急激な価格変動によるインパーマネントロスや、マイナーなトークンの上場後のラグプルなど、基本的にはユーザーの自己責任となりますので、使用する際は気をつけて使用しましょう。
1inchは現在までのところDEXアグリゲーターとして圧倒的なシェアを誇っており、最適なルートを選択するPathfinder、ガス代無料でトレードできるFusionモード、サンドイッチ攻撃を防ぐRabbitHoleなど独自の機能も充実していて、常に最先端を走っています。基本的には将来性は高いとは思います。
ただし1度のハッキング事件が元で失墜してしまう可能性も無いとは言えませんし、MatchaやParaSwapなど後続のDEXアグリゲーターや、Rango Exchangeなどクロスチェーンアグリゲーター 、MetaMaskに搭載されたアグリゲーター機能などに抜かれてしまう可能性もあります。
常に最新情報に気をつけながら1inchを利用しましょう。
1inchを使用して仮想通貨同士の取引で利益が出た場合、「雑所得」に区分され年度末に「確定申告」が必要となります。
仮想通貨のトレードによる利益には総合課税が適用され、総合課税は累進課税のため、利益が大きくなれば納める税金の税率もあがります。取引履歴は必ず残しておきましょう。
まとめ
今回はDEXアグリゲーター「1inch」の使い方について解説いたしました。
1inchまとめ
- 簡単な操作で最良レートのトレードができる
- 複数のチェーンに対応していて便利
- Fusionモードではガス代無料で取引できる
- リミットオーダーなどCEXのようにトレードできる
- プールに預けると報酬を得ることもできる
DEXのいいとこ取りのような機能を併せ持つ1inchはとても使いやすくて便利ですね。
1inchを利用するにはイーサリアム(ETH)が必要になります。イーサリアム(ETH)はコインチェック、GMOコインをはじめとした国内取引所で購入できますので、まだ取引所に口座をお持ちでない場合、以下の記事を参考にしてみてください。
おすすめ国内仮想通貨取引所
- GMOコイン
GMOコインは、手数料の安さと取扱銘柄の豊富さで定評のある国内取引所です。特に仮想通貨の送金手数料が無料であるため、海外仮想通貨取引所やMetaMask(メタマスク)などへの送金におすすめです。 - コインチェック
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国内取引所は、トラベルルールの影響で海外取引所との送金が制限される場合があります。そんなときは、メタマスクなどのプライベートウォレットを経由すれば問題ありません。
またBybitをはじめとした海外取引所でもイーサリアム(ETH)の購入が可能です。海外大手の海外取引所ではお得な新規登録キャンペーンをよく実施していますので、ぜひこの機会にご登録ください。
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