英国の高級スマートフォンメーカーXORが、世界初となる暗号資産(仮想通貨)ウォレット機能を統合したラグジュアリーハンドセット「XOR Crypto Special Edition」を発表した。同製品は10月1日にロンドンで正式発表され、価格は8,200ポンド(約170万円)に設定されている。
ロンドンで披露されたクリプト・スペシャル・エディション、価格は約150万円
XOR Crypto Special Editionは、チタニウム、サファイアクリスタル、高級レザーを用いてイングランドで手作りされている。同社独自のXOR OSをベースとした完全にクローズドなシステムを採用し、暗号資産取引と通話の両方でハードウェアレベルの暗号化を実現している。
デバイスには「XOR Isolation Mode」と呼ばれる独自機能を搭載。この機能により、暗号資産の取引は完全にオフラインで署名され、第三者アプリケーションを必要とせずに安全な取引が可能となる。秘密鍵は専用のハードウェアセキュリティゾーン「XOR Vault」に保存され、サイバー攻撃や盗難から完全に保護される仕組みだ。
XOR Crypto Walletは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、バイナンススマートチェーン、USDC、USDTなど主要暗号資産に対応。コールドウォレットとしての安全性を確保しながら、直感的な操作でブロックチェーンアクセスを可能にしている。
XORは「プライバシーこそが新たなラグジュアリー」として、イノベーター、富裕層、資産保護を重視する顧客層をターゲットに据えている。同社は2020年にVertuの後継として高級セキュリティスマートフォン市場に参入しており、今回の暗号資産対応版は新たな市場開拓を狙っている。
購入は従来通貨に加え、暗号資産での決済にも対応。同社は既にコインベースペイメントゲートウェイとの統合を完了しており、公式ウェブサイトで安全な暗号資産取引が可能だ。
価格は執筆時点でのレート換算(1ポンド=202.97円)