米ナスダック上場のカインドリーMD(ティッカー:NAKA)の子会社ナカモトは3日、オランダのビットコイン(BTC)財務会社Treasury B.V.(トレジャリー)への少数出資を発表した。これはナカモトにとって初の投資案件かつ海外ビットコイン財務会社への初投資となる。トレジャリーは同日、ウィンクルボス・キャピタルとナカモトが共同主導する1億2,600万ユーロ(約1億4,700万ドル)の資金調達完了を発表し、既に1,000BTCを蓄積している。
米国ビットコイン資本の欧州本格参入
トレジャリーは、ゴールドマン・サックスやフォートレスでの豊富な経験を持つキング・オエイ氏が設立。ユーロネクスト・アムステルダムでの上場を目指し、MKBネッドセンスN.V.との逆合併を通じて欧州主要取引所初のビットコイン財務会社となる計画だ。
米大手暗号資産取引所Gemini(ジェミナイ)創設者のウィンクルボス兄弟は、今回の投資について「オランダは株式会社と株式市場という世界最大の金融イノベーションの発祥地。トレジャリーは今世紀最大の金融イノベーションであるビットコインを欧州の投資家にもたらしている」と評価。両氏はトレジャリーの戦略アドバイザリーボードにも参画予定だ。
カインドリーMDのデビッド・ベイリー会長兼CEOは「世界の金融エコシステムの中心にビットコインを据えるビジョンを共有する企業への投資を進めてきた。世界初の正式な株式市場が始まったオランダを拠点とするトレジャリーを、ナカモトの初投資案件として迎えることを嬉しく思う」とコメントした。
トレジャリーは戦略の一環として、年間5,000人以上が参加するビットコイン・アムステルダムカンファレンスを主催するアムステルダム・ディセントラライズドB.V.の買収契約を締結。欧州最大級のビットコインイベントを通じて、欧州のビットコインコミュニティとの結びつきを強化する。
今回の資金調達にはUTXO管理、オフザチェーン・キャピタル、M1キャピタルなど50社以上の投資家が参加。調達資金を活用し、株式・債券両方をレバレッジした体系的なビットコイン蓄積戦略を推進するとしている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ユーロ=1.1652ドル)